第3話「幼女様ごめんなさいの巻」
(うっそぉ!声かけただけじゃん!」
みつるは何回か異世界転生を繰り返しているが、その異様且つなんとも芸術的でスムーズ、そしてなによりも儚い、まるで消失マジックの様な死に方は見たことがない。
みつるは幼女が目の前で死ぬ状況による悲しみよりも、驚きとワクワクを隠せなかった。
「なんとしてもぉッッ!!死なせないッッッツツツ!」
彼は念を込めて幼女を生き返らせる
「え?やだ?やだ嘘え?」
幼女は全てを投げ出し、自ら死んだはずなのに生きている自分に驚愕し、幼女は腰が抜け、地面に幽霊かの様に崩れる
「おっと」
目にも止まらぬ速さでその傾く上半身を支え、みつるはにっこりと笑う
(えっイケメン///)
よくわからない強さのチートは数あれど、みつるは1番のチートは美貌であると確信した、そもそもイケメンであり自分の顔に不満事などなかったみつるだが、何度目かの転生でそれに気づき自分の顔を多次元整形したのである
しかし多次元整形なんて技術は一切なかったので、いちからブラックジャック顔負けの手術を自分自身で施した
(えっ動悸?恋?)
こんな恋の落ち方があってたまるか!
しかしイケメンチートにより、みつるのもつ全てのマイナスな部分が包まれ悪質な精神魔法より悪質な効果をイケメン効果で発揮している
「大丈夫ですか?にこっ!」
「いっかこんなイケメンに殺されるなら」
思わずめぐみは小声でそう呟いてしまった
「ちょっと待ってくださいよー殺すわけないじゃないですか」
だかそんな言葉はめぐみには届かず、深い眠りに落ちてしまった
▽▽▽
「幼女!幼女!」
その声で引き起こされたひどい頭痛でめぐみは起きる
得体の知れない男と目が合うとすかさず男はこちらへ近寄り、身が竦むが顔を合わせるとイケメンチートによる効果で、自分の理想する異性の顔が間近にあり、すぐさま恋という魔法を引き起こす。
「お目覚めになりましたねマドモアゼル♡」
手の甲にキスをされる
「あっ」
気持ち悪さと絶世のイケメンに対する中間の声が漏れる
「うほ」
男が変な音を出したがイケメンなので気にしない
徐々に目線は彼の引き締まった上半身へと、うん?なんでこいつ上半身裸なの?あれれ?あれれれ?あああああ?あっ!
めぐみは半裸で踊り狂う、狂人の姿がフラッシュバックする
「きゃぁぁあああああ?!」
一朝一夕ではなし得ない身のこなしでめぐみは数百メートルの距離をすぐさまとり逃げに徹する
「まてまてー」
(私は足が速い私は足が速いわたしは足が速い)
実際彼女は全力で走り飛行機よりも速い速度を出し、逃げる、しかし軽々とジリジリと距離が縮まり恐怖で自分にそう言い聞かすしかなかった。
「つーかまえた」
突然前に現れた半裸の狂人に叫ぶ事しかできない
「きゃああああああああ」
「うっぷす、いやぁ不敬不敬、君を害する気持ちはないよ?話し合おう」
実際みつるは本当に害する気もなければ、ただただ純粋な性格なだけだが、傍目からみると明らかに不審者をこえて犯罪者にしか見えない、犯罪は度重なる転生人生に置いて一度も犯した事はないが真っ黒にしか見えない
「いやっあっいやああああああ」
ジリジリと迫られるが魔法もスキルもレベルも自ら敵に利用されないために全てを失った彼女になす術はない、いや…?腰に手をやるとやけに手に馴染む杖がある、男は刻一刻と迫る、
(ごめん杖ちゃん)
そう杖に謝りながら、男の頭へと棍棒として打ち付けたのであった。
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