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12. 小説MCH - フレアと父「あお郵便」(修正ver.3 2024/1/3)

「チュクチュ〜チュクチュ〜♪
 チュクチュ〜チュ〜♪

 チュクチュ〜チュクチュ〜♪
 チュクチュ〜チュ〜♪」

 その時、父の背中越しに、外からずいぶんと陽気な歌声が聞こえてきた。

「今日も〜運ぶよ〜♪
 アオが〜運ぶよ〜♪
 手紙ぃ〜を運べば〜
 あなた〜も し〜あわせ〜
 ア〜オ郵便〜♪」

「PowPow!」
「ラルフさんに、お届けでーす!」

 元気な歌声を追いかけて、父を呼ぶ声が聞こえてくる。

「おう、アオ!いつも助かるなぁ」

 ラルフは、振り向きざまにドアを開けると、その来訪者に向けて声を返した。

「ねぇ、なぁ〜に、今のヘンテコな歌〜w」

 フレアは笑いをこらえきれずに、思わず吹き出しながら、父に向かってそう尋ねた。

「おう、フレア!こいつは、アオだ。
 こいつはな、ヒーローじゃあ、ないんだけどな。とにかく足が早くてな。手紙の配達だったり、ちょっとした村の伝達役をしてくれているんだよ」

「えー、すご〜い!」

「村のみんなが遠い村を行き来するのは、なかなか難しいし、かといって、ヒーローのオレが毎回動くわけにもいかないからな」

「へー、知らなかったぁ!それでアオさんはさ、誰でもお願いしたら、手紙をどこにでも運んでくれちゃうの?」

 父の脇から顔をのぞかせて、フレアが興味津々に目を輝かせて、アオに尋ねた。

「はい、もちろんです!初めてのお客さまでも安心ですよ。どんな場所へも、超絶しっかり手紙をお届けします!
 初めての方にも超絶やさしい。それが "アオ郵便" です!」

 アオは、幼いフレアに対しても、しっかり丁寧な口調である。

「えー!ほんと?そしたらボクもさ、今度、アオさんに手紙を運んでもらいたいなぁ!ねぇ、お願いしてもいいでしょ〜?」

「おいおい、フレア。いくらアオで遊んでみたいからってなぁ。お前は他の村に知り合いなんていないだろ?
 お前が手紙を届けたい相手なんて、せいぜい、ここの村長くらいなもんじゃないのかぁ?」

 父は笑いながら、アオに興味津々のフレアを、からかって遊んでいる。

「フレアさん、ボクで遊ぶなんてことはいけませんよ。でも、ちゃんと手紙を届けたい相手ができた時には、またいつでも声を掛けくださいね」

 アオは元気いっぱいなニッコリ笑顔で、フレアに向かってそう告げた。

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※この小説My Cool HEROESは、ジェネラティブNFTコレクション「My Cool HEROES」の背景に流れるストーリーをまとめた中編小説です。

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