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[前半]東村山駅はいつできる? を聞きに行ったら、これからの東村山にワクワクした話

はじめまして、なかむらです。

東村山市公認の“地域ライター”として【東村山市】のあれこれを中心に、これから記事を投稿していくことになりました。お住まいの方はもちろん、一度も訪れたことがないという方にも、このまちの魅力の一端でもお届けできたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。

初回は東村山市在住の私が今最も気になっているテーマ、「高架化工事中の東村山駅、どんなふうに生まれ変わるの?」というお話です。そして今回は、この一大プロジェクトの一端を担っている東村山市に話を伺うことができました。

話の最初は「いつ完成するの?」というところから。……と、お話を伺っていくうちに、これはただ単に駅が新しくなるという話ではない、【東村山というまちが大きく変わる】瞬間に立ち会っているのだ!と、ワクワクが止まらない展開になりました。

そんな私のワクワク体験を、順を追ってお話したいと思います。前後編に分けて、長くなりますがお付き合いいただけたら嬉しいです。

高架化工事が進む東村山駅(東口)

東村山駅の高架化工事を把握するまで

さて、志村けんさんでおなじみ「東村山市」ですが、私がこのまちに住み始めたのは今から約6年前のことでした。そのころ住んでいたのは府中街道近くにあったマンション。府中街道を通るたび、いつの間にか通り沿いの建物が壊され整地されては「道路予定地」看板が立ち、(新しく道ができるのか)などとぼんやり思っていました。

そして、それより少し前(細かな時期は忘れましたが)、東村山駅西口にあったファミリーマートと薬局が閉店してしまい、「貴重な西口のお店が無くなるなんて!」とショックを受けたものの、同時に「なぜなら東村山駅、新しく建て直すんだって」という情報を得て、「へぇ、エキナカにスタバとかできちゃったりするのかしら」と、ちょっとワクワクしたのを覚えています。

そこからふむふむと市のホームページや駅貼りポスター、まちにある工事の立て看板などをチェックしまして、ただ単に駅のリニューアル工事をするのではなく、【東村山駅周辺にある5ヶ所の踏切を除去するための工事】が始まったのだ、ということを把握。

そして、この高架化工事とともに進められているのが、市内各所での都市計画道路の整備であり、東村山市は今、鉄道と道路、両事業を推し進めながらまちづくりを進めているのだ、ということを知ったのです。

五差路にかかる東村山大踏切❸や、府中街道にある市役所脇の踏切❺など、この5ヶ所の踏切がなくなります。

そして東村山市役所へ

それから数年、着々と工事が進んでいる東村山駅。改札は地上から地下になり、高架化線路がどんどん作られ、目に見えて工事が進んでいるのが分かるようになりました。そこでいよいよ気になったのが、【新しい東村山駅はいつ完成するのか】ということです。実際のところ、駅前の掲示や西武鉄道のウェブサイトなどを見ても、これに対する明確な表記はないのです。
というわけで、ネットを駆使して調べました。結論から申し上げます。

東村山駅は【令和7年、2025年3月31日までに完成】だそうです。※都市計画上の事業執行期間によると。

記事タイトルを見て、この情報が知りたかった!という方は以上になりますが、実はこれ、※印にあるように「都市計画上の事業執行期間によると」。つまり、事業計画としてはそうなっているけれど、それより早いのか遅いのか、おおよそ目安であろうと推測します。
“東村山市公認”の地域ライターという立場を利用するならば、この点、もう少しウラを取るべきではなかろうか。そんなわけで東村山市に取材をお願いしたところ、とても快くお時間を作ってくださいました。

お話を伺ったのは、東村山市・まちづくり推進課の若林さんと、新妻さんです。

まちづくりへの熱い想いを語ってくださった若林さん(左)、新妻さん(右)。

駅はいつできるのか、高架下はどうなるのか

な(なかむら):早速なのですが、東村山駅っていつ完成するんでしょうか?

市(若林さん・新妻さん):そうですよね、皆さんそこ、興味ありますよね。
踏切を高架化するこの事業は東京都が事業主体で、西武鉄道、東村山市の3者で取り組んでいます。主に動かしているのが東京都、工事を担当するのが西武鉄道、市はまちづくりを推進する側としての窓口、調整などを行っているんです。
事業認可期間というものがあって、それが令和6年度末までということで一定のお示しをしていて、工事工程を見直しながら進めていると伺っています。随時工事進捗は伺っていて、ついこの間も、鷹の道の踏切部分の高架橋の架設があったという連絡があったばかりで。

な:なるほど。では令和7年の3月に向けて皆さん頑張っているということですね。このあたりには完成しているかも!ということで、はい、楽しみにしたいです。

市:まぁ、あと皆さん興味あるのは、駅の高架下には何が入るのかってことですよね。

な:はい、とても興味があります。

新・東村山駅のデザインイメージ。

市:基本的に高架下というのは西武鉄道さんの土地になるんですね。ただ、利用可能面積の15%程度が都市側、つまり市で利用できるというルールがあって、そこをどうするか、駐輪場、子育て施設、コミュニティスペース……いろいろな用途が考えられます。
まぁでもあれですよね、カフェなどの商業施設が入ったらいいなというのは思いますよね。

な:はい、ぶっちゃけそうです(笑)。あのあたりでお茶できる場所がいまほとんどなくて、駅でお茶しよう、みたいなことをしたいです。

市:そういったご意見があるのは重々承知で。以前、高架下利用について市民の皆さんにアンケートを取ったんです。たくさんご意見をいただき、世代ごとに求めているものが違ったりなんかもして、興味深かったです。その結果は西武鉄道さんとも共有しています。

>アンケート結果

な:市民の意向を西武鉄道さんにも伝えていただいているんですね。

市:市民のニーズはこうだというのを伝えつつ、一緒になってやっていければと思います。多くの人が利用したいと思える駅になること、駅を目的にここまで来て降りてもらう、駅を使ってもらうというのは西武鉄道さんにとっても重要なことだと思いますし、地元の声は大事にしたいという話を伺っています。

東村山ならではの高架下の使い方

市:アンケート結果を見ると、カフェはもちろん、バスケットボールができるような身体が動かせる場所、子育て施設、本屋さんなんていう意見もあって。

な:所沢駅にも大きな本屋さんありますよね。

市:はい、あのイメージがあると思います。ただ、所沢のような大きな駅でできることを真似しても、勝てるわけがないんですよね。大きな駅は大きな駅の役割があって、東村山はここ独自の使い方、魅力があるのではと思っていて。所沢は今、映画館などが入るモール開発がどんどん進んでいますが、それはあちらで整備している。

な:たしかに、所沢駅にあるものを求めるなら行けばいいわけで。隣だし。

市:そうなんですよ。大きな駅のようにデベロッパーがまちづくりを進めていくようなやり方もあるんですが、東村山駅ならではのまちづくりができないかと思っているんです。
東村山って面白いなと思ったのは、声をかけると市民の皆さんがまちづくりに積極的に参加してくださって。地元のまとまりがある感じがするんですね。それで「そらいち※」開催に至ったりしたんですが。

※「そらいち東村山」……2021年5月に「社会実験」と銘打って開催されたマルシェ形式の路上マーケットイベント。食品、雑貨、ワークショップなど地元ショップ、地元の方々を中心に店舗を出店。会場に入れないほどの人たちが集まり、大盛況となった。2023年3月には、店舗数もスペースもパワーアップした第2回そらいちを開催予定。楽しみです!!

2022年5月に開催された「そらいち東村山」のチラシ。

市:開催にあたって、参加者の皆さんとどんなまちにしたいか、駅にどんなものがあったら人が集まるかというワークショップなどもやりながら、どれくらいの人が集まるか、経済的効果も含めて調査をしながら開催したのが「そらいち」なんです。結果、一定の効果が得られたと思っています。

な:私も行きましたが、すごい人出でしたね!何も知らずにただ楽しみましたが、あのイベントって、そんな意図もあったんですね。

市:あともう一つ、こういった試みを通して、まちのプレイヤーを育てたいというのがありまして。

な:プレイヤー?

市:市長なんかも最近よく「ハードとソフト、両輪でまちづくりをしたい」と言ったりしているんですが、ハードっていうのはまちの基盤整備の部分ですね。駅や道路、駐輪場だったり子育て施設だったり、市民の皆さんが利用する箱の部分。ソフトは、そこをどう皆さんが活用するかを考えることで、これが地域の活性化につながるんですね。
実は今までは、ハード部分を整えればいいというまちづくり思考が強かったんです。でも本来はソフト部分が重要で、どういう箱を作ったら皆さんが使ってくれるのか、逆にどういう箱を皆さんが求めているのかを取り入れてハード部分を整備することが大切だと思っています。
で、その箱を使いこなしていってくれる方、担い手をプレイヤーと呼ばせていただいてる。いずれはプレイヤーの方々が主体となってイベントをやったり、「そらいち」を足掛かりに、地元でお店をやっている方がいつか駅の高架下にお店を持ったりできるようになる、なんていうのもいいですよね。

な:そういえばここ最近、東村山にお店が増えましたよね。チェーンストアではなく、こわだりのものを扱った個人店というか。素敵なお店が増えた印象です。

「そらいち東村山」開催の様子。プレイヤーとともにまちを盛り上げていきます。

市:そうなんですよ。そういったお店にファンがつけば、そのために東村山に来てくれるんですよね。

な:ああ、東小金井駅だったかな。高架下のお店に欲しいものがあって、そのためにわざわざ買いに行ったことがあります。

市:そうです、そうです。我々も東小金井駅のような形を目指したいなと思っていて。あそこも紆余曲折あったようで、チェーンストアを入れてみたけど撤退してしまったり、いろいろと模索して今の形になったようです。あのアットホーム感って、東村山に合っているような気がするんですよね。

な:あ、それすごくいいです。そうなったら本当に嬉しいです。なんかちょっと、ワクワクしてきました。

市:また2023年の3月に「そらいち」を開催するんですが、公募をかけたらさらに多くのお店が出店したい、参加したいと声を上げてくださって。事業主の方や、企画運営にも携わりたいという方もいたりして、本当に皆さん頑張ってくださっています。こういった皆さんの熱を、形にしていきたいですね。

駅前広場もワクワク方向へリニューアル

な:そうするとあれですね。東村山駅の改札がどこになるとか、そういったこともまだ未定というか不明というか。

市:そうですね、いずれそういった情報が公表されるタイミングがありますが、今はまだその時ではないですね。

な:志村けんさんの銅像も、高架化後もここにずっとあるのかな?とかも気になります。

市:銅像は高架化後、どこに置くべきか検討が必要になってきます。東口の駅前広場もリニューアル予定なので。

な:あ、今、アンケートをしている?

市:そうです、そうです。このリニューアルは市が主体となって行っていて、それで今、東口駅前広場の使い方についてアイデア募集をしているんです(現在、アイデア募集は終了しています)。駅前“広場”と言いながら、広場の機能が今ほとんどなくて、人が集える空間を作っていきたいんですよね。正直まだ何も決まっていないんですが、皆さんにまず、こういう使い方をしたい、こんな場所にしたいというアイデアを伺いたいと。

アイデア募集のチラシ。

市:これが募集のチラシなんですが、たとえばこんな風に子供が遊べる場所があったり、日常的に「そらいち」みたいなマーケットがあったりなんていうのも楽しいでしょうね。

な:おお、それ、めちゃくちゃいいですね!

市:あと、今の東口駅前広場は昭和の時代に作られたもので、横断歩道が広場を分断しているんですよね。これって望ましくない形状でして。車と人の流れがバッティングしているので歩車分離になるように、そういったところも改めたいと思っているんです。

現在の東口駅前広場。ロータリーの中心に横断歩道がドーンと通っているため、いつも車と人が譲り合いながら横断しています。

な:駅の高架化工事と一緒にリニューアルを進めているんですか?

市:時期としては全く一緒というわけではないです。高架化工事の工程を見ながら、利用者の皆さんにご迷惑はおかけすると思うので、やり方も含めて見極めながらですね。来年度(2023年)には、いただいたご意見をまとめて公表して、それに向けて設計などを進めていってという形でやっていこうかと思っています。


というわけで駅の高架下についてのお話、いかがでしたでしょうか。駅や駅前に地元のこだわり店が並ぶマーケットがあって、おいしいコーヒーを飲みながらゆっくりして……なんて夢が広がりました。

ここからさらに話は盛り上がり、東村山にどんな道ができるのか、どんなまちを目指したいかなど、まちづくりへの思いをたっぷり伺いました。東村山がどう生まれ変わるか、後半もぜひご覧ください!


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