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教育実習はどこでも受け入れを! #47

 最近、ご近所の方からご子息の教育実習のことで相談がありました。
 内容は、ご子息は教育学部では無いけど小学校の教員を目指しているということ、最近の傾向からか自分の出身の小学校に教育実習を掛け合ったが受け入れが難しいと言われて困っている等の話でした。そこで学校は実習生受け入れに寛大であるべきと話していた自分の後輩に連絡し、ちょうど今年はまだ依頼が入っていないことから了承をもらうことが出来ました。
 実は、私もその考えでやってきましたが、私が在籍中に「校長室風景」にそのことを書いてきていた記述がありましたのでそれをここに載せます。(平成23年7月1日 S小学校の学校だよりより)

『先月から,学校では,大学の学生さん達の教育実習が続いています。
 栄養士となるための「管理栄養士」を目指した実習。同じく「管理栄養士」の資格に加え子ども達に「食育」等の授業を行う「栄養教諭」を目指した実習もやっています。そして今年は、保健室の先生になるために「養護教諭」を目指した実習もやっています。今年は希望はなかったのですが,学校の先生となるための実習等もあります。
 学生さんの中には,本校○○小学校出身の学生さんもいますが,遠く□□県や◇◇県などから市内の大学で学び,その縁で本市で実習受け入れ先の学校を探す学生さんもいます。そんな事情から、学生さん達は挨拶の際は緊張されて挨拶に来られることが多いのも確かです。
 そんな時は、緊張感を和らげるために、私は各々育った小学校等の思い出話や先生になろうと思ったきっかけ等を聞いたりして盛り上がることもあります。 学生さん達は,どの子も真面目で純粋な気持ちの持ち主です。一週間から三週間と実習期間も取得免許の職種によってはまちまちですが,学校に慣れようと一生懸命に努力する姿にはいつも感心します。実習中は,本校の先生方の師範授業を参観したり,校長や教頭先生の講話を聞いたりなどの講義もあります。そして実習期間の最後には,学生さんによる実習授業もあります。この時の授業が査定となり出身大学での免許取得の有無に影響します。生まれて初めて子どもに対して行う授業,それも自分の工夫で子どもが理解を深める。ここが難しいものです。でも言い換えれば,あこがれの先生になるための一つの関門にもなります。
 最近は,こうした実習生を受け入れる学校が減っている話をよく聞きます。学校自体が、忙しいからという理由から断る場合、また出身校ではないからとそれだけで断る場合もあるようです。でも私は,本校(赴任した学校)では担当をしてもらえる先生にお願いしてできるだけ受け入れをさせてもらっています。教師等になりたいと言う学生さん達の夢を叶えてあげることは,私達教師の役目と思うからです。(協力してくれる学年、先生もいつも協力的にしてくれます。)
 昨日も昼休みに,実習生の学生さん達が,配属している学年・学級の子どもと遊んでいる姿を見かけました。子ども達にとってはどの学生さんも「素晴らしい先生」となっています。
 さあ、がんばれ未来の先生達!』

 実は、この私も、教員となる前の実習校探しがとても大変でした。それは、出身校は富山県、大学は鹿児島大学の工学部、教員の免許を取得したのが東京の大学の通信学部でしたので、全く充てが無かったわけでした。免許を取得する際の教育実習受け入れ校について困り果てて、私の実家のお隣のK先生(中学校)に相談しましたところ、甥御さんが市内で小学校に勤めているからということで、その方を紹介していただいたのが、私の教員への糸口になりました。嬉しい繋がりでした。
 その方はA先生。実は私と同じ年。(きっとやりにくい年のいった学生だったと思います。)互いに算数を専門にしている関係で、先生とはいろいろな学校で、市教委の委員会で一緒に仕事をさせて頂きました。とても心優しい先輩、そして同僚でした。たくさんのことを学び、一緒に市教委にも在籍し、そして互いに校長として切磋琢磨してきました。
 そのA先生も昨年末ご逝去されました。私の教師となるべき道筋を作って頂いた先生でした。ご冥福をお祈りいたします。(令和6年6月29日)

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