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それでは歌います🎤


演歌バッグならぬ演歌ブーツを買うぞ!と決めた直後、ひょんな事から数日間東京に行く事に。
私は地方在住、住んでいる県にハイブランドの店舗はかなり少ない。

このタイミングで東京!
ブーツ購入のチャンス!!
あゝ いまこそ演歌を歌えと神が言っている。
それはもう演歌ではなく讃美歌では?


Maison Margiela

タビブーツ(ブラック、3cmヒール)
パンツスーツで試着。


全くピンときません。
こんなシルエットだったっけ…?と困惑。
これまで4回試着して毎回ビリビリ来てたのに。そんなことある!?嫌な予感で手の平がじっとりしてきた。
魔女の宅急便でいきなり黒猫のジジが話さなくなった時みたい。いや、ブーツを履いて勝手に脳内でペラペラ話してたのはブーツではなく私の方ですが。
ブーツを試着する度にあれほどうるさかった頭の中が静まり返っている。

「こんな感じでしたっけ…なんか今までの試着と違うんですが…」と絞り出すように話すと店員さんが「裾が気になるかもしれませんね〜」と言い、チャチャっとパンツスーツの裾を捲ると……
しっくり!!!
あ〜びっくりした!買ってもないのに変な汗をかいた。
ブーツの上にパンツスーツの裾を被せていたことが原因だったようです。
自分が気に入った肝心のブーツのシルエットが全然見えないもんな〜!当たり前!
しかしこんなに変わるものなのね〜🤔

そういえば過去にアレキサンダーマックイーンで接客してくれた女性の店員さん、黒のオーソドックスなパンツスーツに自社のゴツいショートブーツを合わせていたのですが「パンツスーツの丈をブーツのシルエットが全部見えるように調節しました」と話されていた。
お淑やかそうな店員さん+パンツスーツ+ゴツいブーツ、というギャップに完全に痺れてメロってしまった。あの店員さんのコーデ忘れられないな…。
私も今後ブーツにパンツを合わせる時はお直しに出して丈を調節しよう。制服化の過程でパンツは手元に2本しか残さなかったからお直しの代金は大した額にならないはず。
制服化を進めていてよかった。これで昔みたいにパンツが10本くらいあったらお直しの代金だけでそこそこの出費になっていた。
というかこういう事態を防ぐためにあきやさんは「コーデは靴から組みましょう」って仰ってるんだろう。初めにメインになる靴を決めちゃえば「この靴に合う丈のボトムスがない…服を買い足さなきゃ…」とはならないもんね。
手持ちのブーツスニーカーと冬用防寒ブーツはタビブーツと同じくらいの丈だし、ボトムスの合わせ方で苦労することは無さそう。


話を戻します。
担当してくれた男性の店員さんに「実はタビブーツの購入を検討していて…」と相談すると「本当ですか!僕タビ5足持ってるんですが最高ですよ!」と。今5足って言いました??
聞けばブーツ3足、ローファー、レースアップを所有している模様。タビのヘビーユーザーだ。愛ですね。
これは色々聞くしかない!!
柔らかくてデリケートそうな革、しかもスプリットが入っていてコハゼで留めるという特異なブーツ。普通のブーツと比較して何かしら癖があるのは間違いない。店員さんに自分が不安に思うことをつらつらと並べて確認しました。
するとヘビーユーザーとしてのぶっちゃけた話を聞くことが出来ました。「ハイブランドだから自社商品のことは悪く言わないかも、ふんわりした回答で濁されたらどうしよう…」というのは杞憂だった。正直で信頼できる店員さんだ、もし買うとしたらこの店員さんから買いたい。
そして不安点は幸いにも自力でカバーできそうな内容だった。

自分が愛用してるバッグ(ゴツいレザーの黒色バッグ)と合わせてみると…これまたしっくり!
どちらのデザイナーも「日本の文化からインスピレーションを受けた」と公言しているのですが、そのせいか非常に相性はいい。愛用バッグもタビブーツも和室に置いておくと「最初からここにいました」という表情をするところがそっくり。
そしてタビブーツのデリケートさをバッグが守ってくれる気までしてきます。
そう、元々私は「過酷な環境に身を置くこと」がアイデンティティでもあったので、分かりやすく言えば「洞窟にも行けそうな靴」を探していたのです。これは靴100足チャレンジをする前から決めていたことです。
タビブーツ、少しデリケートそうな靴なので過酷な環境向けではないのですよ…ソールも少し薄めだし。
しかし最近「別に過酷な環境に身を置かなくてもいいかな…」という心変わりがあった。迷うところです。


PRADA


以前の試着で購入候補に上がっていたブーツです。
パンツスーツとの相性が最高すぎる。かっこええ〜〜
そしてこのブーツ、半年前に靴の試着を始めた頃に理想として掲げていた「洞窟にもフォーマルな場所にも行ける靴」にかなり近いブーツです。
ブーツ100足の記事にもありますが、このブーツを履いたら洞窟はもちろん裁判にだって行けるくらい心強い気持ちにさせてくれます。タビブーツとは別の良さがある。
しかしフォーマルな場所は…フォーマルと一言で言っても相当な幅があるけど、例えばお葬式にこのブーツを履いていけるメンタルは……ないな。
タビブーツはお葬式に……ちょっと行けるような気もする。
別に本当にこれらのブーツで行こうとしてるわけではないですよ。例え話です。多分…。
プラダのブーツのフォーマル可動域は「少し形式ばった場所で心を強く持ちたい時」かな。それ可動域って言うのか?


かつて私は「どんな状況でも乗り越える事」をアイデンティティにしていたので「危険な環境から身を守ってくれそう」なゴツめのアイテムを御守りにしていたのですが、最近そうでもなくなってきたんです。

ずっと過酷な環境にいる必要はない。行きたい時は行けばいいけど(重要)。自分にはもっと他の人生の楽しみ方があるはず。
今回は「自分がつまづいていることは何か」「ずっと危険な環境にいなくてもいい」ことに気付くきっかけになってくれたタビブーツを購入することにしました。


再びMaison Margielaへ


同じ店員さんがいる日を確認し、再び訪問。
今度はスカートで試着。6回目の試着にも関わらず未だに「これこれ!これです!」という気分になるのが恐ろしい。試着しすぎて「なんで私このブーツ持ってないんだっけ?」みたいな考えになっていたのも恐ろしい。
ここでまさかの伏兵『タビレースアップ』を店員さんが持ってきてくれたのが一番恐ろしかった。今持ってくるんですか?やっとモノリスブーツを諦めて一足に絞り込んだのに?
タビブーツがミステリアスな猫なら、タビレースアップはおてんばな子鹿。
私が「レースアップモカワイイ…🥺」とメソメソしていると「初めてのタビはブーツをお勧めします!」と店員さん。ヘビーユーザーがそう言うならそうなんだろう。

タビブーツをお迎えすることにしました。

こんな額のファッションアイテムは買ったことがないからもっと緊張すると思ってたのに、すんなり会計してしまった。
「我が人生に一片の悔いなし…」みたいな悟りがあった。まだ終わってませんが。これからこのブーツを履いて生活します。
秋になったらまた会おう!


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