見出し画像

タビブーツへの願いと嫌な人間性


ハリーポッターみたいなタイトルだ。
試着を繰り返すも結局タビブーツを超える電流は流れず、ひとまずタビブーツと向き合う事にしました。
5回試着したので言いたい事は沢山ある。

なんで電流が走ったのか?


1つ目は、「暗闇からこんなシルエットで登場したい」という欲望を叶えてくれるからです

自分が暗闇にいる時、若しくは暗闇から光の当たる人前に出てくる時、自分の足がこういうフォルムをしてたら完璧だと思いました。
タビブーツは筒からスプリットまで一直線に縫い目のラインがあり、鏡を見ると真っ先にそのラインに光が当たっているのが目に入る。特に甲のあたり。このラインのおかげか、鏡を見た時に「高めのヒールのような緊張感がある」「一歩引いた雰囲気があるのに堂々としている」という印象を受けました。ちなみに3cmヒールです。
分かりやすいイメージは、漫画『チェンソーマン』レゼの前にマキマが登場するシーン。
いきなりの漫画語り!でもこのシーン好きなんです。
(以下ネタバレあり)


マキマが主人公を誑かすレゼを処分するために、薄暗い路地裏でレゼの目の前に出てくるシーンがあります。
マキマは、「お前らのことは監視してたよ」とばかりに「私も田舎のネズミが好き」とレゼの過去の会話にアンサーを出しながらネズミの大群の中からヌルッ…と出てくるのです。ヌルッと。
このシーンを見て静かに鳥肌が立ったのを覚えています。
不気味な上、一見この場面にそぐわない意味不明なことを話しているのに、それでもマキマは美しいというギャップ。
その後マキマはレゼを殺害。
(ネタバレ終了)
知ってる人しかピンとこないくらい短く書いてしまった。


もう私、このシーンに痺れてしまって…。
ネズミの中から登場〜!という最悪な衛生状態には目を瞑るとして…🙈
いかにも威圧的なことを言わず、静かに佇んでいるだけというのも好きです。
というわけで!私は暗闇から出てきた時に綺麗なシルエットでヌルッ…と登場したいんです。
それを叶えてくれるのがタビブーツなのです。
他にもシルエットを綺麗に見せてくれる靴は沢山ありましたが、もれなくヒールが6cm超え!ポインテッドトゥの靴も似たような効果はありましたが足が痛くなった経験から除外。

2つ目は、幅狭甲低の自分の足が好きになれるシルエットだから。

幅狭甲低、試着ではそれなりに苦戦を強いられる足です。大体の靴が脱げる。
でも、この足の形が嫌いになれない。自分の身体の中で数少ない「可愛いパーツ」なんです。
この足の形が映えるのはヒールありの細身のパンプスです。が!私がシンプルなパンプスを履くと全身のバランスが悪くなったり(上半身が大きく見えて足の存在感が消える)靴擦れしてしまう。あとコンセプトに「活動的」が入ってるのでヒールで疲れてしまうのは避けたい。

タビブーツは甲が細めに作られていて、革製ブーツの割には華奢な印象があります。おまけに踵が脱げる不安もなし。
そしてパッと見て「自分の足の形、好きだな」と思える。地味なポイントですが、これはかなり大きいです。コンセプトにも「自分が好き」って入ってるしね。

3つ目は、飼ってる猫の足みたいだな…と思ったからです。
もう猫のイメージが出てきた時点で私の負けです。ずっと一緒にいてくれ。

タビブーツを買いたくない理由も載せます。


本題です。


あの特徴的なつま先のスプリットです。
あれに抵抗があるならタビブーツ買うなよ!という話ですね。


私は地方在住です。地方にもハイブランドを持っている人はもちろんいます。
しかし、今の自分の周り(職場など)にあからさまにハイブランドを持っている人はほぼいません。
女性に至っては、自分の身を粉にして働くことが善、高い物を持つのは悪、という価値観が残っているんです。
例えちゃんと働いていて給料がそれなりに良くても、着ているものは安物であることをアピールするのが基本姿勢、なんなら「あの土地まで行くならジャージで行っちゃう」と言うのが一種のマウントです。
(昔のヤンキーか?と思いましたが、一時期は全国規模で華やかな場所にあえてラフな服を着ていくのがステータスみたいな流行りもあったので地方に限った話ではない)
人によっては気に入らない人物がハイブランドの物を持っていたら目を光らせて「あんな高いの持っちゃって」「ロゴが入ってるだけで品がない」とボソッと言う人もいるのです。なんでか知らないけどこの類の人達は『身内からプレゼントされた物』に関しては黙認する。プレゼントを貶したら流石に性格の悪さがバレるとでも思っているのか。人の持ち物を貶す時点で同格じゃないの〜?
私はかなりマイペースな方ですし上記のような考えを持ったことはありませんが、後ろ指を指されるのは避けたいのです。
タビブーツ、恐らく全員がブランド物だと気づくことはないけどここまで気に入ったブーツを貶されることは絶対に嫌だ。

ここまで考えて気付いたんですが、私は5段階欲求の3段階「社会的欲求」でつまづいているのでは?
周りと仲良くしたいから、浮くような服を着たくないということでは。

(電子版52頁参照)

実は幼少期から社会的欲求を持ったことはありませんでした。好きな道をひた走り好きな人としか付き合わず、好きな物を身に付ける超マイペースな奴だったのですが、仕事にどハマりしてから「周りと上手くやっていきたい」と初めて思うようになったのです。
どこに行っても周りが好意的に接してくれるのがこんなに嬉しいなんて。あの頃は仕事の成果も目に見え始めて本当に嬉しかった。
その後転勤し、当時のメンバーとは全く違う人たちと交流しているのが現状です。


今もどこかの社会に所属したい。
でも周りにいる『人の持ち物にケチをつけるセンスのない人たち』には所属したくない。

たとえその持ち物が後ろめたい手段で手に入れたであろう物であってもケチをつけるべきではない。物自体に罪はないからです。こう考えるようになったのはブランド設立の背景を調べるようになったのが大きい。
罪があるとすれば、ハイブランドの模造品や製造に関わる人たちに十分な給料を与えないブランドの商品では?(これは完全にあきやさんの受け入り✌️)
というか、その人にケチを付けたいなら他に真っ当な手段があるはずです。

タビブーツを試着した日(なんと自問自答ファッション教室の直後の試着!同じ日でした)から半年近くこんな事をグネグネ考え続け、ようやく
「タビブーツを買うかどうかは別として、もし自分の個性やファッションに文句を言われたら所属する社会を変えよう」
と決めました。
転居とかではなく、交流する人たちを変えようという意味です。具体的には決まってませんが…。

結局ブーツどうするの問題


社会的欲求との折り合いは今後の自分に託すとして(丸投げともいう)ブーツはどうする?
今のスタメン靴一足(お出かけ用)は7年選手でまあまあ限界を迎えている。他にも靴を買ったけど全部靴擦れが止まなかったので泣く泣く売っています。流石に後任が欲しい。
初めは「少し価格帯を下げてタビブーツと同じくらいの電流が走るブーツにしよう」と考えて試着を続けてきました。
しかし、ないんですわ〜
タビブーツの対抗馬はPRADAのモノリスブーツ。お値段大して変わらん…。
そしてそのタイミングで仕事の負担により身体を壊しかけ、ひとまず戦線を離脱することとなりました。

私はこれまで自分に所謂『ご褒美』を与えたことがありません。買いたいと思った時に買うのが自分の性に合っていたからです。あと私、逆張りが酷くて…長年「自分へのご褒美って必要?」と思っていました。
しかし生まれて初めて限界まで頑張ったのにろくな報酬もなく、おまけに身体にダメージを負うという経験をして、もうこれは演歌を歌うしかないと決意しました🎤
ストレスで脳がやられたのか、一時期映画のあらすじが追えなくなったのが本当にショック。
仕事で自分自身をないがしろにした自覚があるので、今度は労わってやらないと自分からの信用を失ってしまう。

ということで、タビブーツかPRADAのモノリスブーツを買う事にしました。
耐用年数を考えれば、靴よりバッグなどにお金をかけた方がいいというのは承知の上です。いくら高価といっても靴は靴。でも、今愛用してるバックより気になるものがない。そんな幻のバッグの登場を待っていたらご褒美のタイミングを逃してしまう。

なのでブーツを買います。
正論や世間の言うことは難しいのでよく分からないということにします!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?