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スズメバチとの戦闘記録

我が家の第2洗濯室が王様の就寝しているところを通過していかねばならないことは以前に記載したが、実は第1洗濯室は侑さんの部屋を通らねばならない。

ところで、スズメバチとは10年ほど前から何度か戦争を起こしている。
ひどい時は毎年視察にやってきて本当に怖い思いをした。
だから私はスズメバチ用の殺虫剤を常備している。
結構高いのに、効くものとそうでもないものがあるから要注意だ。
効かないものを使ったら逆上したあいつらに反撃を食らってしまう。

さてある年、何日か雨が続き洗濯を控えていた時があった。ほんの2~3日のことだ。
なんとその間にスズメバチに巣をつくられてしまっていた。まだ取り掛かったばかりらしく大きくはなかったが、ベランダに置いているエアコンの室外機と壁の隙間に作られたと記憶している。

王様がしばらく帰ってこない時期だったので自分で何とかするしかなかった。
王様は何もしないように思えて実はスズメバチを巣ごと退治するのがうまい。王様は無敵なのだ。

夜は巣に帰るから、夜に巣を攻めろ、一網打尽だ!と王様からアドバイスを受け、ある夜決行した。

侑さんの部屋のベランダを少し開け、殺虫剤を巣にかけ、ベランダの窓を閉める。
翌朝に生き残って仕返しをされたり、万が一ご近所さんやご通行の方に被害があってはいけない。
そこは細心の注意を払った。
一連の流れをよどみなくできるよう何度も頭の中でシミュレーションし、いざ噴射!
ギリギリまで噴射しまくって窓を閉める!!
その途端ものすごい数のスズメバチが窓ガラスに向けて体当たりで襲ってきた。ものすごかった。
羽音も凄ければ全身を窓にぶつける音も恐ろしく、あんな恐怖はなかなかない経験だった。
そういえば、以前読んだ貴志祐介さんの「雀蜂」という小説は怖かったな。手に汗握る描写だった。

さらにその翌年、またちらほら視察に来たやつがいた。
何回かスズメバチジェットかマグナムジェットかプロみたいな名前の、ホントにすごいジェット噴射でもって退治したが、ある時立場が逆転したのだ。

洗濯物を取りにベランダへ出た瞬間、そいつは入れ替わるように侑さんの部屋へ入ったのだ。
明らかに意思があって、ヤツは侑さんの部屋の、私と目線が同じくらいの高さになるような位置に陣取り、「中には一歩もいれねーぜ」とこちらを睨んできたのだ。

ここでひるんではいけない。でもどうすれば?
部屋に入ると絶対襲われる。やられる前にやらなければ。
右手をそっと部屋の中に差し込み窓際に置いているマグナムに触れる。手を滑らせたらすべて終わりだ。
注意深く手に取る。銃口をやつ、
ちがう、ちがう。噴射口をヤツに向ける。
するとヤツはカチカチカチカチと歯を鳴らして威嚇してきたのだ。
物凄い恐怖だったのだが、なぜかその姿がリーゼントの昭和のツッパリに見えてしまった私は勝ちを確信した。
あー、たぶんあれだな。TVでやってるネプリーグの漢字の問題で出てくるキャラクターを思い出したのかもしれない。ツッパリのハチのキャラがいたように思う。

なんせそのおかげで落ち着きを取り戻した私は、威嚇するヤツに発砲、ちがう、噴射した。
勝った。

それにしても全身を、危険を示すカラーリングで纏うヤツらはそのとおりのアブナイヤツラなのだ。
今はもうその時期には先に殺虫剤を撒いておく。それでもたまにふらりとやってくる奴もいる。だから未だに殺虫剤は手放せないのだ。
ただし、あれは人間もかなりダメージを受けてしまう。息をしてはいけない。これは厳守だ。

#スズメバチ   #貴志祐介

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