独り言３１

俺は小さいころから
家族でテレビを見るときは
一種の緊張感を持って臨んでいた。

家族の誰かが嫌いな芸能人が出てくると
早くVTR終われ！と心の中で念じ、
場が凍り付くような番組を見ていた時は
何か面白いこと言って場を盛り上げようと
子どもながらに（今もそうだが）ジョークを言ったりした。
そのおかげで、少しはユーモアを蓄えることができたかもしれない。

何より一番嫌なのが、CMを見るとき。
ご飯を食べているとき、皆CMに気を取られ、
箸が止まり、口半開きで凝視する家族の「画」がすごく気まずく、
俺は一人うつむきながらお椀をかきこみ
早くCM終われ！なんて思っていた。
なんでだろうね。
CMが流れると、その映像や会話を各々頭の中で「咀嚼」する音が聞こえ
CMが終わっても、特にそのCMについて何も言わないのに
俺の頭の中では、家族がそのCMについてどう思ってたんだろう、
そのCMが良かったのか？悪かったのか？
とか考えてしまうのである。

疲れる。