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第六十話 忍んでおいで~柚葉と慈朗⑤「ひょっとしたら、一番幸せなのかも」

 この話は、前回の「数馬と三の姫17」に続く、柚葉と慈朗のエピソードです。時系列的には続いています。

🔑🎨

「なんか、大変そうだよね。桐藤と一の姫様も、数馬と三の姫様も・・・」

 さっきまで、慈朗の部屋に、数馬と桐藤が来ていた。俺はそもそも、居たんで、結局、男4人で、古い他国の性指南書みたいなの見たり、その周辺の話になってた。さっき、姫たちの所に2人は戻っていったんだけど・・・。

 数馬が悩んで、桐藤がアドバイスして。
 『こっち側』の俺たち、要らなかったんじゃないかな?

「桐藤も、数馬も真面目だよね」
「何?俺が、不真面目みたいじゃん。それって。『柚葉と二の姫も、大変だよ』クスクス・・・」
「うーん、そうだよね、柚葉も大変なんだろうけど」
「なんで、恋人に、辛い発言なの?」
「っていうか、僕が、大変じゃないから。そういう意味では、柚葉のこともあるけどさ」
「人には、適材適所っていうのがあるんだよ。こんなことでもさ」
「そう考えると、お妃様って、やっぱ、すごいのかも」
「何が?」
「皆の配置、考えて。一の姫様と桐藤は、小さい時からで、元々、二人が仲良かったのも、ご覧になっていたんだろうけど。数馬と三の姫様とか、上手くいって良かったよね」
「『うん、それでね、柚葉は、上手く行ってる振りが、上手なんだよー』」
「えー、それ、僕の真似?」
「そうだよ。可愛いだろ?」
「柚葉、馬鹿にしてるでしょ?」
「してないよ。愛してるけど」
「もお、真面目に話してんのにぃ・・・」
「つうか、どうでもいいじゃん。それぞれの配置なんだから、それぞれが責任持てば。あー、ただでさえ、お休みの日、ゆっくりしてたのにさ、さっきの時間、それそれが、お邪魔虫だったじゃん」

 慈朗は、本当に、優しいんだよな。入り込み過ぎなぐらいね。でもさ、慈朗、お妃様が上手いっていうのは、合ってると思うよ。知ったら、ショックに思うかもしれないけど・・・、実は、絡繰りがあるんだよね。まだ、慈朗には黙っておくことにするかな・・・。

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