もみぢ葉 第四話 ~艶楽の徒然なる儘
「じゃ、いいですね、庵麝先生。今、行って、艶楽師匠を迎えに行きますから、先に、安楽寺に行っててくだせえ」
「え?・・・研之丞、ちょ、ちょっと待て」
「何、言ってるんですか。待ちませんよ。意を決して、団子に付け文、そして、もみぢ葉まで添えて、一度、渡し済みなんですぜ」
「いや、それが届かなかったのだから、それは、それまでと・・・」
「だから、それは、あっしの所為ですから。邪魔しちまったんですから。仲立ち、致しますから」
「いや、待て、研之丞・・・」
「今日は、診立てをお休みにし