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【星に占い】


横断歩道について、信号がちょうど青になって止まらずに来れてラッキー!といったときの、ちょうど色が変わるグッドなタイミングに合わせて歩調を変えていたことを「運も実力のうち」と呼ぶことにしましょう。

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運勢は人を生かす。人に推進力を与える。
毎朝こんなにも賢い華のあるアナウンサーは星座占いをふりまいている。日本中の今日を頑張ろうとする人たちに向けてキキララみたいなパステルカラーの冗談は降り注ぐ。1位だったら喜んだっていいし、12位だったら「ごめんなさ〜い、おひつじ座のあなた🫵」と、歯を磨きながら(あるいは食べ終わった食器を片しながら)意識半ばでテレビを見ていたはずが、ジョークな不運は他でもない”あなた”につきつけられる。

ラッキーとハッピーはこんなにもそっくりで、不幸と不運の意味はこんなにも一緒だった。朝通学途中に犬の散歩しているものを通りすぎたら「今日はいい事あるかも」と自転車を飛ばしつつも流れる犬で今日を占う。犬占いにハズレはない。
別に犬でなくてもいい。それは可愛い女の子かもしれないし本日の前髪の調子かもしれない。古ぼけた少年漫画の主人公ならパンチラだって今日の運勢は占える。もっと占いは強引になれる。たまたま見れた存在が確定していないものだけでなく、ずっと通学路にいつづける置物でだって僕は今日を占い続ける。通学路の一角の不動産前に、マスクを付けされられた犬の置物がある。コロナ禍はもうウィズコロナに成り果てて、それももううやむやになった時流を知らずこの犬は忠犬ハチ公のようにコンプライアンスを守りぬいている。
こいつを見る度に僕は前向きに大学に通おうとする。いないことの無い、ハズレのない占いで、僕は傲慢に人生に速さをつくりだす。

余談だがこの忠犬には最近友達ができた。新たにパグの置物が隣に置かれた。パグはマスクを着けていない。誰か教えてあげたらいいのに。


青信号が青になる前に、歩幅を短くちょこちょこしたりしてノンストップで渡れることはやっぱりラッキーであって、さらに言えば赤信号でも突っ切っていくこと、それがノンストップであることも最早ラッキーなことなのだ。”あなた”は、運がいい、ツイている!


毎朝占いは発生して、明日に繋がるようにする。寝る前にも占いがあるといい。より明日に近いから。その明日は1時間後のバイトかもしれないし、波打つような期末テストかもしれない。
占え、占え、占え、占い続けろ。死んだ時に初めて棺の中で笑って、ハズレたわ笑とか言うことにしよう。

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