見出し画像

エクサゲームは『病院で』しよう♪

▼ 文献情報 と 抄録和訳

慢性疾患を持つ人のQOL向上のためのエクサゲーム;システマティックレビューとメタアナリシス

Cugusi, Lucia, Luca Prosperini, and Gioia Mura. "Exergaming for Quality of Life in Persons Living with Chronic Diseases: A Systematic Review and Meta‐analysis." PM&R (2020).

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 慢性疾患患者の健康関連生活の質(HRQoL)に対するエクサゲームを用いたリハビリテーション介入の有効性に関するエビデンスを評価する。

[方法] システマティックレビューおよびメタアナリシス。2005年1月から2019年3月までに発表された論文を対象に,PubMed,Scopus,Physiotherapy Evidence Database(PEDro),Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL),Google ScholarをキーワードとMeSH用語で検索し,HRQoLのアウトカムを報告する慢性疾患を有する集団におけるエクサゲームのリハビリテーション介入の無作為化および非無作為化対照試験を同定した。方法論についてバイアスのリスクは、PEDroスケールを用いて評価した。エビデンスの質の採点には、GRADE(Grading of Recommendation, Assessment, Development and Evaluation)システムを用いた。プール効果は、ランダム効果モデルを用いて、標準化平均差(SMD)または加重平均差(MD)と95%信頼区間(CI)で報告した。異質性は不一致I2検定で重み付けした。

[結果] 34件の試験が確認された(被験者数1594人)。全体的に、エビデンスの質は低かった。エクサゲームは、慢性疾患を持つ集団においてHRQoLを有意に改善したが、効果の大きさは小さく(32件の研究;1544人の参加者;SMD 0.24;95%CI 0.1~0.4;I2 = 27%)、特に神経疾患を持つ人々においては小さく(20件の研究、956人の参加者、SMD 0. 22; 95% CI 0.2~0.4; I2 = 49%)、リウマチ性疾患(4件の研究、210名の参加者、SMD 0.39; 95% CI 0.1~0.7; I2 = 4%)、心肺疾患および慢性代謝疾患(5件の研究、309名の参加者、SMD 0.23; 95% CI 0.0~0.5; I2 = 0%)だった。医療現場でのエクサゲーム介入は、同様に小さいながらもポジティブな効果を示したが(22件の研究、905人の参加者、SMD 0.30、95%CI 0.1~0.5、I2 = 41%)、家庭で実施されたものには効果がなかった

[結論] 医療機関で行われたエクセルガムを用いたリハビリテーション介入は、慢性疾患患者のHRQoLをわずかながらも統計的に有意に改善した。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

エクサゲーム(exergame, exergaming)という言葉をはじめて知った。家庭で実施しても効果がないのに、病院で実施することで効果が出るのは、どういうわけだろう?あらためて、場所の価値について考えてみたい。