見出し画像

ところで、その「検索ワード」は厳選されてますか?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

「Brace」という言葉を使って装具の文献を検索するには?

Jafarian, Fahimeh-Sadat, Alireza Rahimi, and Ebrahim Sadeghi-Demneh. "How to Search for Orthotic Literature Using “Brace” Term?." JPO: Journal of Prosthetics and Orthotics 33.3 (2021): 223-226.

[ハイパーリンク] DOI, Google Scholar

[背景] 適切な検索クエリを選択することは、エビデンスに基づいた実践のために電子データベースを探索するための第一段階である。予備的な検索では、電子データベース内の義肢・装具の研究を特定するための正確な検索クエリを導入した先行科学研究はなかった。

[目的] 本研究の目的は、装具分野の関連研究を特定するための「brace」という用語の異なるバリエーションの有効性を評価することである。

[方法] 研究デザイン本研究は横断的な研究である。義肢・装具分野で発表されたレビューで過去に使用された「brace」という用語のすべてのバリエーションを用いて、ScopusおよびWeb of Scienceで一連の電子検索を行った。検索結果は、関連性のある主題分野と関連性のない主題分野に分類した。関連性のある主題領域の割合は、フリーテキストの文献検索の特異性を定義するために使用された。「brace」という用語の標準的な検索クエリを定義するために、同じ主題領域の他の共通キーワード(orthosis)と組み合わせたり、ヒトの研究に限定して収量の特異性を測定した。

[結果] 「Brace」という用語は、無関係な分野の異なる研究で非常に広く使用されていた。「brace」に切り捨て技術を用いると、収量における主題領域の精度が低下する可能性がある。「brace」と同義語の見出し語を組み合わせることで検索感度が向上し、フィルター(例:ヒトの研究)を適用して検索結果を絞り込むことで、収量の精度が向上した。

[結論] 本研究では、「brace」をフリーテキストの文献検索に使用しても、義肢・装具分野の関連研究を呼び出すには十分な精度が得られないことが示された。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

文献を検索するのも技術だなぁ、と思う。その技術の1つとして検索ワードの選択がある。同じことを意味するワードでも、異なる表現があるものも多い。

例①. 高齢者という意味:“older”、“elderly”、“aged”
例②. 歩行という意味:“gait”、“walking”、“ambulation”

「始めに言葉ありき」、適切な検索ワード(検索クエリ)を知ろう!じゃなきゃ、秀逸な論文と出会うことはできないから。