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歩行補助具を選択するツールとしてのBerg Balanace Scale点数

▼ 文献情報 と 抄録和訳

Guillain-Barré症候群や多発性神経炎の患者の歩行補助具を選択するためのツールとしてのBergバランススケール

Zupanc, Aleksander, and Gaj Vidmar. "Berg balance scale as a tool for choosing the walking aid for patients with Guillain-Barré syndrome or polyneuropathy." International Journal of Rehabilitation Research 44.2 (2020): 185-188.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景] Berg balance scale(BBS)は、リハビリテーションの成果指標として広く用いられている。ギラン・バレ症候群や多発性神経炎の患者において、歩行補助具の使用レベルを識別できるかどうかを確認したいと考えた。

[方法] 2012~2017年の期間に入院リハビリテーションを終了した当該患者109人(16~85歳)を対象に、後方視的な調査を行った。受信者動作特性曲線分析を用いて、患者の歩行補助の予測を最適化するcut-off値を推定した。歩行補助なしでの歩行能力(49点以上、感度88%、特異度68%、精度83%)と、歩行器を使った歩行の必要性(37点以下、感度62%、特異度83%、精度78%)について、統計的に有意なBBSスコアのcut-off値が推定された。

[考察・結論] BBSスコアのcut-off値は、ギラン・バレー症候群や多発性神経炎の患者がリハビリテーションを受ける際に、適切な歩行補助具を選択するのに役立つと考えられる。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

歩行補助具とは、ざっくり「手支持」を追加するものである。歩行補助具の種類によって手支持の量や質が異なってくる。そして、バランス評価とは、「手支持需要」を明らかにするものとも言える。そう考えれば、歩行補助具を選択することにバランス評価結果を活用していくことは、妥当なことと感じた。