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ウェアラブルセンサーが臨床計測を上回る!?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

ウェアラブルセンサーで、臨床検査値の個人的な予測が可能に

Dunn, Jessilyn, et al. "Wearable sensors enable personalized predictions of clinical laboratory measurements." Nature medicine (2021): 1-8.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景] 心拍数や体温などのバイタルサインは、病状の検出やモニタリングに有用ですが、通常は臨床現場で測定されるため、より確定的な診断を行うためには、フォローアップのための臨床検査が必要となる。

[方法] ここでは、一般消費者向けのウェアラブル機器で測定されたバイタルサイン(心拍数、体温、皮膚電気活動、動作などを連続的にモニターしたもの)が、ランダムフォレストモデルやLassoモデルなどの機械学習モデルを用いて、臨床検査の結果を予測できるかどうかを調べた。

[結果] その結果、ウェアラブル機器から収集したバイタルサインデータは、臨床検査での測定値よりも一貫性のある正確な安静時心拍数を示すことが明らかとなった。また、ウェアラブルで収集したバイタルサインデータは、臨床検査で得られたバイタルサインの測定値を用いた予測よりも低い予測誤差で、いくつかの臨床検査値を予測することができた。

[結論] 機械学習モデルの性能には、バイタルサインのモニタリング期間と予測日の近さが重要な役割を果たす。これらの結果は、今日では臨床検査でしか測定できない生理学的測定値を継続的かつ長期的に評価するための、市販のウェアラブルデバイスの価値を示すものである。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

ウェアラブルセンサーで、連続的に、精度の高いバイタルサインの推測・計測ができたなら、いろんなメリットがある。まず、臨床現場での断続的な血圧計測や心電図計測が不要になる、常に測られているので。さらに、連続的に測れているため、周期や変動への意味づけや調査が可能となる。そして、そろそろ、その未来が現実になろうとしているようだ。