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京王線無差別刺傷犯(自称 服部恭太24歳)は「無敵の人」ではない

◆❖◇11/11 追記事項あり◇❖◆

まず「無敵の人」について、定義を細かく書くと長くなるので、リンクに留めます。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/無敵の人

2008年に西村博之が提唱した、「社会的に失うものが何も無いために犯罪を起こすことに何の躊躇もない人」という意味のインターネットスラング。

ひろゆき公式ブログ
http://hiro.asks.jp/46756.html

逮捕されると、職を失ったり、社会的信用が下がったりします。
元々、無職で社会的信用が皆無の人にとっては逮捕というのは、なんのリスクにもならないのですね。
花輪和一さんの刑務所の中とか読んじゃったりすると、「刑務所もそんなに悪いとこじゃないのかもねー」とか思っちゃったりもするかもしれません。(中略)
でも、現在はインターネットを使った犯行予告をすることで、警察官を特定の場所に動員したり、飛行機を遅らせたり、警備員を走らせたりするぐらいの発言力が手に入ってしまっているわけです。
彼らは、それなりの社会的影響力を行使できる状態にあるのですね。
でも、欲望のままに野蛮な行動をする彼らを制限する手段を社会は持っていなかったりするわけです。
ちなみに個人的に、こういう人を「無敵の人」と呼んでいたりします。


本題についてズバリ言いきります。
服部恭太(自称)は、無敵の人ではありません。
ただのはみ出し者のキョロ充です。

例えば京アニ放火事件の青葉真司被告は精神鑑定を繰り返し受けていますが、これは客観的に見て重度の誇大妄想の末に犯行に及んだことが明らかだからです。
検察側は「それでも判断能力はあったんだ」と証明したいし、弁護側は「判断能力はなかったんだ」と証明したいわけです。
今回の偽ジョーカーを見て人々が決まって口にするのは「いや、それほど追い詰められてたとは思えない」という言葉です。

それでは細部解説します。


1.どこがどう無敵の人じゃないのか

まず、服装や髪型などから「日常生活」が透けて見えるのです。日常生活を送るつもりがある、と言った方が正しいかも。
かつて一線を超えた者たちが行動を起こした時、服装などから我々と似たような「日常生活」の匂いは消え去っていました。
宅間守しかり。
加藤智大しかり。
青葉真司しかり。
登戸通り魔しかり。
皆、職業や生活階層、経済状態などが読み取れないような服装でした。
これは理由があります。
服装に生活レベルや習慣があらわれないこと。
清潔感やオシャレなどに頓着する必要がないこと。
「堕ちていく」中で自然とそうなったのでしょう。
結果的に服や髪に、平均的な社会人の生活を透かしてみる事が叶わなくなっています。

「無敵の人」はそれだけ追い詰められた存在です。
生まれた時は普通の人だったのが、人生の全ての時間で追い詰められ続けたのです。
犯行に至る積み重ねがあり、それが服装容儀に現れているわけですね。

では服部恭太(自称)は何が違うのか。

当初「バットマン」シリーズに登場する「ジョーカー」のコスプレだと報道されました。
写真を見ても、ジョーカーを意識しているような色使いの服装です。

●当日追記

「仕事や友人関係うまくいかず」 ハロウィンに合わせ大量殺人計画か 京王線刺傷(産経新聞) 
https://news.yahoo.co.jp/articles/52f3d5f37ae44ddabea00684d2dea99a1d75e60d 
犯行前には、ハロウィンでにぎわう渋谷駅周辺を30分ほど歩いていたことも判明。服部容疑者も米人気コミック「バットマン」に登場する悪役「ジョーカー」の装いをしていた。「人を殺すジョーカーにあこがれていた。犯行の勝負服として購入した」などと話している。

追記終わり

では本当のところどうでしょうか?

スーツは衣装だそうです。
衣装だとしても、ステージ衣装として販売されているものと見られ、それなりのお値段です。

●11/2追記

生地がそれほど高級感ないので通販ですね。サイズ選びをちゃんとしてるので、ツンツルテンにもダブダブにもなってません。
買い物をする時に説明をちゃんと読んでいたとすると、購入時にはまだ精神的な余裕があったのでしょう。

追記終わり
●11/11追記

衣装は20万円という高級な物です。

京王線刺傷 「ジョーカー」服は20万円 10月に新宿で購入(毎日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c125149bbe298bed6ae7fc09b45ce73c0b3b05ce 

東京への旅費と滞在費用、コスプレ衣装の購入と、随分借入れしたようです。
サラ金複数社を同時に利用したのでしょう。

追記終わり


次にコート。
表面に艶がなく厚みがあります。おそらくウールです。

革靴もきちんと履いていますね。
ストレートチップに見えるので、ちゃんとした靴を履く機会があったのでしょう。
もちろん緑のシャツに薄紫のネクタイも欠かしていません。


当初「コスプレではなく私服だ」と供述していて、後に「ジョーカーに憧れて買った」と訂正したそうですが、正直どちらでも同じです。

彼はネクタイを結ぶ生活の経験がある人間です。

また、犯行に際して衣装を選ぶということは、そもそも日常生活において、服装を自分で選んで決める習慣があったのです。

●11/2追記

報道で過去写真が使用されていますが、こちらではネクタイを着用しています。どのようなファッションなのか全体像がわからないのですが、ネクタイ着用そのものに抵抗がない生活を送っていたことがわかります。

追記終わり


「革靴モドキ」のウォーキングシューズ等でない靴を持っています。
冬に着るウールのコートを持っています。
そこから以下の可能性が見えてきます。
・スーツを着るような職業に就いている、または過去就いていた。
・服装をチェックする人間(親、上司、同僚ほか)が周りにいる、または過去にいた。そして自分でも服装に気を配る習慣があった。
・それなりの服を買う財力がある、または買い与える者がいる。(過去にあった)

これらの事情を考えると、人間的な生活を送ることを許されず、限界を突破してしまった「無敵の人」たちとの違いがおわかり頂けるでしょう。


2.どこがどうキョロ充なのか

これはもうズバリ、容姿です。
「え? そこ?」と思った?

厳密には上の「無敵の人」じゃない理由と同じなんです。

24歳であの細身にメガネということは、スポーツマンタイプではなくもやしっ子です。

電柱とぶつかったら死ぬイメージですね。

短い金髪は職業などの理由で周りに合わせたものでしょう。短髪を脱色して染めるのはモヤシ文化圏ではありません。だいたい黒光りゴリラみたいな若者がやる髪型です。
自由度の高い職場ではなく、専らチンピラのパシリを務めていたと考えられます。
(悪徳商法などの下働き、という意味です)

●11/2追記

福岡県在住だったとの報道がありました。
当初当記事ではチンピラ・反社と書きましたが、実際のところは暴力団との付き合いがあった可能性もあります。
よくネットでは「修羅の国」という揶揄が(ネットミーム的に)行われますが、現実はもっと苛烈です。全国的に暴力団は彼ら自身の努力もあって、いわゆる「カタギに手を出さない」イメージを持たれていますが、九州のヤクザはおおむね民事介入暴力を生業としています。

追記終わり


ネクタイを結べる理由もそれです。スーツはチンピラ反社の制服ですから。
コートも同様です。が、このコート自体は就活セットのものかもしれません。襟周りが地味すぎます。

普通の就活をした可能性が高いとなると、高校〜大学ではきちんと学業を修めつつ、イベサーなどに出入りしていたのでしょう。
就活に失敗し、一年遅れで先輩の伝手で体育会系っぽいノリのお仕事を紹介してもらい、それが特殊詐欺や悪徳商法を専門とする反社だった、といったところでしょうか。

「キョロ充」とは、生まれつきエリート層ではなく、リア充や体育会との付き合いをやたら気にして、評判の悪いオタクや陰キャをバカにしながら、時に気配を消して生存を図ってきた人々です。
教室に入ってくるなりリア充グループをキョロキョロ探して擦り寄っていく姿から、2000年代に「キョロ充」と命名されました。もちろんネットスラングです。

キョロ充であることが犯罪に繋がるということはありません。
むしろリア充君たちの方が粗暴犯へのハードルが低かったりします。
これは過去に「間違いだらけの性犯罪防止」で触れています。https://note.com/super_hero/n/n7ba4569fcf4d


ですが、反社の構成員または準構成員になったとあれば話は別です。
そもそも彼らの活動そのものが犯罪と言う場合が多く、また、自己の保身を図りながら外部の「顧客」を犯罪に誘導するパターンもあります。

服部恭太(自称)が学校の黒光りゴリラ先輩と一緒に特殊詐欺とか悪徳商法に精を出していた場合、彼自身が期せずして「お客様」になってしまった可能性がかなり高くなります。
つまり反社に対して云十万円云百万円也の支払い義務を負ってしまったとしたら。
それがつまり彼が言う「仕事で失敗した」になるわけです。

これらは全部仮定の話なので、まったく違っていて、無能なイキリオタクが奮起した結果電車内で通り魔をはたらいた、という可能性もあります。

●11/2追記

盗撮で職場をクビになった過去が暴露されました。
基本的なモラルを我々と共有できないタイプかもしれません。
また、交際相手の存在も明かされており、非モテで固まるような集団にも属していないことがわかっています。

追記終わり


ですが、問題はここでおわりません。


3.何が問題なのか

服部恭太(自称)がキョロ充チンピラだろうがイキリオタクだろうが、どちらにしても「無敵の人」ではないことを念頭に置いてください。

そうです、人として限界を超えた人間が起こすような重大犯罪が、ちょっと詰んだオタクやキョロ充、ほか「まだ人生終わってない人」によって行われるようになっていくのです。

わかりにくいですか?

「キ●ガイが起こすはずの事件を健常者が起こすようになった」と言えばわかりますか?

そうです。
粗暴犯がカジュアル化していくのです。

これは過去幾度となく唱えられた「凶悪犯罪の増加」とは意味合いが違います。

流血を伴う犯罪がそれほど切れてない人間によって行われるなら、我々は全ての隣人を信頼できなくなります。
今回の規模の事件となれば、準備には30分とかかりません。

解決策はふたつです。

・粗暴犯がカジュアル化することを受け入れ、相互監視社会で犯罪を防止する。

・犯罪に至る心理を研究し、生活環境や労働環境の改善によって犯罪を防止する。

いちいち選ぶほどのもんですかね?

あ、犯罪者を断種して行くことで粗野な人間を淘汰していくってのはナシですよ。そんなこと言ってると自分が淘汰されてダーウィン賞ものですよ。

今月も皆様のサポートのおかげで生活保護申請せずにすみました。心より御礼申し上げます。