二十代も後半だというのに‥‥

休日の夕方。

昨日の夜、バイト帰りに近所のコンビニで見かけて買わなかったアイスが無性に食べたくなった。

こんな時のための貯金箱から、小銭で2000円ちょっとをポケットに突っ込んで出かけた。

(ついでに夕飯用のおにぎりも買お。)

コンビニについて、目当てのアイスとおにぎりなどをカゴに入れ、レジへ。

3つ選んだおにぎりのうち、1つはエコ割のシールが貼ってあるものにした。

これで少しは、社会貢献が出来た。

レジで店員さんがバーコードを読み取っていく。
表示される金額に合わせて、小銭をトレーに出していく。


1000円を超えたあたりで、
小銭だけをジャラジャラ出す支払い方法が迷惑であろうことを改めて実感した。

(今後控えよう。)

それと同時に、ポケットから減っていく小銭に
不安感が募った……

(あれ?)

合計金額は1529円



9円、足りなかった。


持ってきていたのは、2000円ちょっとではなく、1500円ちょっとだったのだ。

いい大人がすべきではないミスにプチパニック……

「あ、え、えっと…… す、すいません‥‥
も、持ってる金額勘違いしてたみたいで…… ふ、袋無しにしてください。」


9円足りないのに、マイナス3円しても意味がないことにすら気づかないテンパりよう……

もはやプチではなかった。


「あ、そ、それでも足りないので……
おにぎり1つやめます。
えっと…… 明太子無しにしてもらっていいですか?ほんとにすいません。」

明太子には、エコ割シールが、貼られていた。
社会貢献を考える余裕は、とうになかった。

「大丈夫ですよ。」

笑顔でそう言ってくれた店員さんに
心底救われた。

そして店員さんが続けた。


「袋つけますか?」

おにぎり1つをやめたことで、
袋は買えるようになったこと、
そして、手ぶらで来ている自分が、袋無しで買ったものを持って帰ることが困難なこと。

それらを察し、袋を勧めてくれた店員さんが
輝いて見えた。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?