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園芸あれこれ 金木犀の記憶

幼いころの記憶
”オレンジ色のまあるい実がなっていて、とってもいいにおいがしたの”

深いところにあるおぼろげだが、しみ込んでいる記憶

おそらく2歳頃のことだろう
そのころの記憶が残っている科学的な根拠は何もないが
私の記憶の中に確かに刻まれている

いつの頃だっただろうか
あらっ?この匂いって・・・

私の心の中が揺すぶられてあふれ出た
”そうだこの匂いだ”
それは金木犀の香りと共によみがえってきた


金木犀の花



幼子の目に映ったオレンジ色のたくさんの花は
オレンジ色のまあるい実として心に残ったのだろう


金木犀



母に聞くと
2歳ごろに住んでいた家の近くに金木犀があって
その前を通っていたようである

9月の終わりから10月初めごろに決まって訪れる香り
律儀だなあと毎年思う

あら、こんなところにも金木犀が・・ということが良くある

姿は見えなくても、遠くからでも香りを運んで来て
その存在を知らせる

私と同じように
誰かの心も揺さぶられるであろう
毎年金木犀のにおいがどこからともなく風にのって訪れるのを待っている

私は金木犀の香りが好きである

以前は、トイレの消臭剤の香りに、本物とは似ても似つかぬ合成された香りが使われていて、”金木犀の香りに対して何て失礼なんだろう”、
”もっと尊敬を払ってほしい”と常々思っていた

最近はたくさんの芳香剤が作られていて金木犀に似た香りがあまりないのでほっとしている
私は合成された香料は苦手なので、エッセンシャルオイル以外は使用しない

幼いころの記憶って不思議ですよね
何かの拍子に、”わたしこれ知ってるかも”って思い出す
心の片隅にいろいろなものが詰まっているってなんだかいいなあ

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