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トウガン(冬瓜)

ウィキペディアより

トウガン(冬瓜、学名: Benincasa pruriens f. hispida)は、ウリ科のつる性一年草、雌雄同株の植物。果実を食用する夏野菜。秋の季語。
実は夏に収穫され、冬まで貯蔵することができるため冬瓜とよばれる。果肉はやわらかく、淡泊な味わいで煮物料理などに使われる。 

トウガン

目 : スミレ目 Violales

 科 : ウリ科 Cucurbitaceae 

属 : トウガン属 

 種 : B. pruriens 

品種 : トウガン B. p. f. hispida 

和名 トウガン

  和名トウガンの由来は、夏季が旬の野菜であるが、丸(玉)のまま保存すれば冬まで日持ちすることから「冬瓜」(とうが)の名がつき、それが転訛して「とうがん」とよばれるようになった。 

別名、トウガ、カモウリ(氈瓜・加茂瓜・賀茂瓜)とも呼び、石川県、富山県ではカモリ、沖縄県ではシブイと言う。
 

写真はウィキよりお借りしました。

特徴 

原産は熱帯アジア、インド、東南アジアといわれる。日本には、古代中国から渡来し、畑で栽培されていた。
日本での栽培は平安時代成立の『本草和名』に「カモウリ」として記載があり、同時代に入っていたが渡来詳細は明らかになっていない。
主産地は宮崎県、茨城県、愛知県。

 一年生のつる植物で、茎は地面を這って長く伸びて、無色の毛が生えていて、巻きひげがある。
葉は大型の浅く5 - 7裂した丸形で、掌状になっている。 
花期は夏(8 - 9月ころ)で、葉腋に直径7.5 - 10センチメートル (cm) のヘチマに似た黄色い花を咲かせる。
 同株異花で、雄花と雌花があり、雌花に果実がつく。
 果実は偏球形または30 - 50 cmほどの長楕円形で、はじめは触ると痛いほどの白い毛で覆われているが、熟すころになると毛は落ちて、ブルームが析出して白い粉が被ったようになる。
 7 - 9月に収穫し、実は大きいもので短径30 cm、長径80 cm程度にもなる。

  完熟後皮が硬くなり、貯蔵性に優れる。完全に熟したトウガンは約半年品質を保つという。 

 品種 
  栽培品種は、丸みのある球型の「マルトウガン(丸冬瓜)」と、長さや俵のような長楕円形の「ナガトウガン(長冬瓜)」に大別される。大きさは10 kgを超える巨大果から、2 - 3 kgの手頃なミニサイズまで幅広い。また特徴的な品種に完熟しても白粉をおびない「オキナワトウガン(沖縄冬瓜)」がある。 

沖縄冬瓜
 おきなわとうがん 俵のような長楕円形の実。熟しても白粉は付かず、果皮の緑色が視覚的に確認が容易である。
 九州南部以南が主な生産地域だったが、1972年の沖縄返還以降、多地域で品種改良や生産が活性化。
 近年においては「大阪産(もん)」の認定を受け、大阪特産品としても販売を行っている。 

栽培 栄養素

 果実の約96%は水分で、ビタミンB1・B2・Cをわずかに含んでいる。栄養価はさほど高くないと評価されるが、ビタミンCやカリウムは比較的多く、可食部100グラムあたりのビタミンC量は約40 mg、カリウム量は約200 mg含まれている。
 食物繊維は野菜の中では少ない方である。海藻やキノコ類並みにエネルギー量は少なく、低カロリーな食材である。種子はサポニン、脂肪油、たんぱく質を含むとされているが、詳細はわかっていない。
 果実に含まれるウリ科特有の苦味成分ククルビタシンは、飲食すると吐き気を催す作用がある。 

食用 

 トウガンと鶏ひき肉の煮物 果実は主に食用され、成分的には95%以上が水分で栄養価の面ではあまり評価されていないが、100 gあたり16 kcalと低カロリーとなっており、食べ応えもあることからダイエット向きの食材といわれている。
食材としての旬は夏(7 - 9月)で、果皮に傷がなく、全体に白い粉状のもの(ブルーム)が吹いていて、重量感があるものが良品とされる。
 中国では、体温を下げて利尿効果がある野菜として、薬膳料理において、よい効果が期待できるとされている。 

 類似のユウガオよりやや果肉は硬め、味は控えめでクセがないので、煮物、汁物、漬物、酢の物、和え物、あんかけ、など様々な具に用いる。
 トウガンは果皮がかたく、皮を剥いて種を除いて果肉の軟らかい食感を楽しむ。見栄えをよくするときや煮崩れを防ぐ場合では、皮の緑が少し残るぐらいに薄く皮を剥いて調理すると翡翠のような美しい緑色に仕上がる。このとき、重曹をまぶして下茹でしておくと口当たりがよくなる。  
 果実を丸のまま長期保存する場合は、ヘタを上にして立てて、風通しのよい日陰の場所においておくと数か月はもつ。切り口を入れた場合は、切り口をラップなどで密着して包み、冷蔵庫に保管すれば1日程度は持つ。 
 代表的な料理は煮込みとスープで、煮ると透き通るような色合いになり、淡泊な味わいをもつため、旨味の出る出汁や動物性素材と合わせた料理に向いている。
 日本料理では大きく切って風呂吹きに使う。
 広東料理では大きいまま、中をくりぬいて刻んだ魚介類、中国ハム、シイタケなどの具とスープを入れ、全体を蒸した「冬瓜盅(トンクワチョン)」(zh:冬瓜盅)という宴会料理がある。
 台湾では果実を砂糖を加えた水で煮込んだものを「冬瓜茶」として、茶(茶外茶)の一種として飲む。缶入り飲料もある。
  料理以外でも砂糖漬けにしたり、シロップで煮た後砂糖をからめて菓子にしたりする。 果実以外にも、果皮をユウガオの代用食材としてかんぴょうに用いる。また若葉・柔らかい蔓は、炒め物などに用いることができる。

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