薬草デビュー 39 ユキノシタ 生薬名 虎耳草 [味 微苦、辛][性質 寒][有小毒]



大切な薬草ユキノシタ

佐藤潤平「家庭で使える薬になる植物1集」より抜粋

生薬名 虎耳草  

日本名 鴨足草、鴨脚草

ユキノシタを詠んだ俳句
🍀山の井に影こそ沈め雪の下 (松尾いはほ)🌿長き根に秋風を待つ鴨足草(高浜虚子)
☘️ゆれそめて雨となりけり鴨足草(今井つる女)

虎耳草という漢名は『本草網目』(明朝時代の大医、李時珍著)に初めて見え、この書に石荷薬があり、
李時珍が「虎耳は陰湿の所に生え、世の人はこれもやはり石山の上に栽える。茎の高さは五六寸ぽ、細い毛があり、一本の茎に一枚の葉があって、その形は荷葉っを蓋したようだ。それで世間では石荷葉と呼ぶ。葉の大きさは銭ほど、形状は生えたばかりの小葵葉、および虎の耳の形に似ている。夏、小さい淡紅色の花を咲く」といっている。

これによると、虎耳草という漢名は、その葉が虎の耳に似ているので名付けられたものである。
虎耳草と書いて、日本ではユキノシタと呼んでいる。
ユキノシタという日本名は『牧野日本植物図鑑』では
「雪の下で多分その葉の上に
白雪を戴き、緑葉その下に隠れて見せる風姿を賞して言いしもの」と述べている。

薬効
ユキノシタは子供のヒキツケ・耳の病気・腫れ物・火傷・痔・解熱などに効がある。

🌱❇️子供のヒキツケ(痙攣)には、ユキノシタの葉10枚とり、良く洗い水をきり、塩を少し加えてもみ、その汁を絞って口の中にいれてやると特効がある。
🌱❇️中耳炎には前述した塩で揉んで出た汁1、2滴を耳の穴にたらし、軽く脱脂綿を詰めてせんをし、これを毎日1回行うと特効がある。
塩を加えないもみ汁を塗ってもよく、
🌱❇️またこれを飲めば気づけとなる。また解熱(熱さまし)にもなる。
🌱❇️漆かぶれには、前述の塩でもんで出た汁をつけると妙効かある。
🌱❇️歯痛には塩でもんて出た汁を脱脂綿に浸し、痛い歯にくわえさせるとよい。
🌱❇️腫れ物・かさ・シモヤケには、生葉をあぷり、軟らかくして貼りつける。
🌱❇️百日咳には、生葉のもみ汁を少しずつ1日三回飲む。1回量は生葉5~6枚ぐらいでよい。
🌱❇️せきの出る時でも、前述の汁を飲むと効がある。
🌱❇️蛇にかまれた時や虫にさされた時などは、生葉のもみ汁をつけるとよい。
🌱❇️心臓病・腎臓病にはユキノシタの葉を陰干しにしたもの10枚ぐらいを350ccの水で煎じて飲むとよい。
🌱❇️風邪引きには葉に氷砂糖を加え、さらに生姜のすったものを混ぜて、煎じて飲むと効がある。1回量は葉7~8枚、氷砂糖少量、生姜ちょっとぐらいである。
🌱❇️扁桃腺または咽喉の痛みには、ユキノシタの生葉の汁、または生葉を塩でもんで出た汁を、脱脂綿などにつけて患部に塗ると妙効がある。
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スゴすぎるユキノシタ
昔の人はユキノシタの効能を知っていて家の日陰に植えていたのですね。
実際に中耳炎をユキノシタで治したという最近のブログでありましたし、戦後薬がないときユキノシタで中耳炎を治した記事もありました。
ユキノシタは特効薬👍️だったのですね


🙏💦💦ユキノシタ
さっぱりしました

ユキノシタの苗を日の当たる所に置き、ドクダミやイヌワラビやセリが生え放題にしていました。
反省🙏💦💦
イヌワラビを抜いてドクダミも抜いて、セリはどうしようかなあと考え中。(セリじゃなくてドクゼリかもしれないし)
日陰に移すことにしました。大きい植木ばちに移し薬草として使えるくらいの大株にしたいです。ダイジニシナキャ

ユキノシタ効能で検索するとたくさんの記事に出会いました。

養命酒さんのブログよりユキノシタの素敵な記事がありました。

ユキノシタの漢名は「虎耳草(コジソウ)」といい、これは毛が生えた肉厚の葉が虎の耳に似ていることから付いた名前といわれていますが、他にも猪耳草、猫耳朶、耳朶草などの別名があります。

明代の『本草綱目(ホンゾウコウモク)』には急性の中耳炎に対して生のユキノシタをついた汁を耳に垂らすという用法が記載されており、臨床でも中耳炎に対する効果が示されているなど名前・効能ともに耳と関係が深い薬草です。

中耳炎は細菌やウイルスの感染により中耳が炎症を起こした状態であり、ユキノシタが中耳炎に良いというのは抗菌作用を示す精油成分が含まれていることが関係しているのかもしれません。

その他、メラニンの合成を阻害するアルブチンという成分を含んでいるので、美白化粧品の素材としてユキノシタエキスが配合されたりします。

また利尿作用のある硝酸カリウムや塩化カリウムを含むことから、乾燥した葉を煎じたものはむくみ解消にも良いようです。

その他にきょ風、清熱、解毒などの効能があり、風邪による発熱や湿疹、腫物などに効果があるとされます。

野草としてはあまりクセがなく、葉や花を天ぷらにしていただくとおいしいのですが、食べ過ぎるとお腹が緩くなるそうなので要注意です。

楚々として控えめな風情のユキノシタが、実は中耳炎からむくみ、解毒、さらには美白にも役立つパワーを秘めているとは驚きですね。

風流なユキノシタという和名の由来は、降り積もった雪の下に緑の葉があるように見えるからというのが通説ですが、他にも諸説あり、白い小花を雪虫(白い綿雪に包まれたように見えるアブラムシの一種)に見立てて名付けられたという説や、花弁を舌に見立て、“雪の舌”から転じたという説もあるようです。

いずれにしても、雪とは無縁のあたたな時季に咲く花から雪を連想して命名するとは、昔の人はなんともイマジネーション豊かですね。

養命酒さんのブログより


ウイキより
ユキノシタ生薬 

漢方薬の薬味として用いられることはなく、民間薬として用いられた。
葉には硝酸カリウム、塩化カリウム、ベルゲニン、タンニン質などを含んでいる。
硝酸カリウム、塩化カリウムには利尿作用があり、ナトリウム(塩)と結びつきやすいため、摂り過ぎた塩分を体外に排出させる効果がある。
ペルゲニンは、健胃、下痢止めに役立つとされている。 

年間を通して葉は採取できるが、特に5 - 7月ごろの開花期によく成育した葉を採集して日干ししたものが生薬になり、虎耳草(こじそう)とよんでいる。
民間療法として、からだのむくみ、胃もたれ、下痢のときに、虎耳草1日量5 - 10グラムを約400 - 600 cc(コップ3杯ほど)の水で半量になるまでとろ火で煮つめた煎じ液を、食間3回に分けて服用する用法が知られている。
また民間では生葉を用いており、葉を火であぶって軟らかくしたものが、腫れものなどの消炎に用いられ、凍傷やしもやけ、火傷にも使われた。
生葉をすりおろしたしぼり汁は脱脂綿やガーゼに含ませて、耳だれ、中耳炎、漆によるかぶれ、虫刺され、湿疹の患部に付けると効くと言われている。
小児のひきつけ(痙攣)には、生葉を少量の食塩で塩もみして絞った小さじ5杯ほどのしぼり汁を飲ませると、応急措置として一時的に効くとされる。
風邪にはユキノシタの葉20g、氷砂糖、ショウガ1片を加えて煎じて飲むと良い。 
乾燥させた茎や葉は、煎じて解熱・解毒に利用する。

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