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愛読書

小学4年生の頃、インフルエンザの熱で横たわっていると、母が新しい本を買ってきました。とても嬉しかったことを覚えています。
しかしお母さん、、、熱がひどくて活字読めないよ。

それは、挿絵のとても美しい小学生向けの本でした。
子供のための世界名作文学 集英社の『小公女』です。

子どものための世界名作文学 『小公女』より

その美しい挿絵はどのページも素晴らしく、ガンガンに痛い頭を冷やしながら、ずっと眺めていました。挿絵ばかり眺めて、本文を読んだのは随分後でした。
小さな挿絵がより一層想像力を膨らませ、どんどん文字を追い始めました。

子どものための世界名作文学 『小公女』より

その後、その挿絵画家の描いた本を求めて探しましたが、田舎の小さな本屋にはなかなかありません。

子どものための世界名作文学 『小公女』より

最近では、児童書もアニメのような挿絵が増えてきて、美しい挿絵を目にすることが少なくなりました。

末娘が小学校の頃、読書感想文を何にしようかと悩んでいたので、実家にまだ保管していた『小公女』の話をしました。すぐに読んでみたいというので、実家から送ってもらいました。40年ぶりの再会です。
すっかり日焼けして茶色くなっていましたが、大切に保管していたので、カバーも綺麗なままでした。開くと懐かしい香りがします。

子どものための世界名作文学 『小公女』より

やはり親子かな、読書感想文を書くはずが、挿絵感想文になりそうな程見入ってました。その後、よほど面白い本文だったのでしょう。一気読みしていました。
今では、末娘の愛読書です。

その挿絵画家は池田浩彰氏。他にも沢山描かれていたのですね。
探し回った小学4年生の私は、さぞ悔しがるでしょう。
今ではネットですぐ見つけ、次の日には宅配で届くのですから、、、。

懐かしい子供の頃の愛読書が、時を経て今は娘の愛読書に。
今度は中学生の頃にハマった、美しい言葉で綴られた村岡花子氏翻訳の『赤毛のアンシリーズ』を、中学生になった娘に贈ってみようかな?

         








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