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【書評】差別はたいてい悪意のない人がする

著者は、キム・ジヘ(韓国・江陵原州大学校多文化学科教授)さんで、移民、セクシュアル・マイノリティ、子ども、若者、ホームレスなど様々な差別問題に関心を持ち、当事者へのリサーチや再策提言に携わっている。

これまで日本のジェンダー情勢について勉強した。
理解したつもりでもいた。

しかし、この本を読んで隣国のジェンダー情勢を何も理解していないことに気がついた。日本と韓国のそれは、決して別のものではなく、お互い影響を与え合って一歩ずつ進んでいくものだと思う。

さらに、大きな学びの一つだったのが、「誰もがマジョリティ性とマイノリティ性を同時に持っている」という事実である。

例えば、韓国人女性は“女性”という枠組みではマイノリティー側であるが、
韓国社会の中では、移住外国人と比べて“韓国人”というマジョリティ側なのである。

すぐには受け入れられなくても、なぜ受け入れられないのかと考えることはできますし、自分の中にある固定観念を発見することができると思う。他のマイノリティを理解しようと努力し、自問自答することを通して、他のマイノリティへの尊重と連帯が生まれていくのではないでしょうか。

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