見出し画像

2、ベル・フックス著「フェミニズムはみんなのもの」

前回の続きで、今回はベル・フックス著 堀田碧訳「フェミニズムはみんなのもの」『新水社』(2003)の中で印象に残った内容・言葉を少し取り上げ、皆さんのフェミニズムに対する考えや、社会に対する考えが深まれば幸いです。

「貧困の女性化」p、81

この書物でベルさんは、女性内での階級差についても指摘しています。

従来、女性は家にいて家事をこなすのが役目だったが、男性と同じように働くことを求めた。そして、現代では多くの女性が結婚しても働ける環境が育ってきた。しかし、その要求と裏腹に、多くの貧困女性や、シングルマザーたちは、すでに外で働いており、低賃金の劣悪な環境での労働を強いらていた。また、家事を手伝う女性がいるが、このような職に就くのは、裕福な女性たちではない。裕福な女性たちは、社会に出られるようになったが、その自由を守るために、貧困の女性たちを使うようになり、このような女性たちは未だに従属的な地位にいるのである。(筆者要約)

このように、階級差があり、貧困層の女性の状況は中々変わっていないという指摘をし、社会は「「貧困の女性化」には背を向けたのだった」と語っています。

この「貧困の女性化」という言葉を見て、私は理解できる部分がありました。少しベルさんが意図していることと異なるかもしれませんが、これまで様々な報道を見て、貧困で苦しんでいるのはシングルファザーより、シングルマザーの方が多いというイメージがあり、風俗業など身体を使った大変な仕事や、スーパーのレジ等賃金も安く、非正規雇用で働いているのはなぜか女性が多いな、という感覚があり、貧困の女性化という言葉がしっくりきて、印象に残りました。

6章 内面の美、外見の美 p、64~71

この章では、社会が女性に求める外見や美しさについて述べられています。
服装や、化粧、体型などについて、「女性はスカートで、ズボンはだめ」「化粧をした、細い女性が美しい」等、美の価値観が決められてしまっている現状を挙げ、それにより自分の体形等に肯定的になれなかったりし、多様的な美が尊重されていないとしています。また、

「性差別的なファッション産業への挑戦に引き続いて、女性たちは初めて、外見についての強迫観念が引き起こす悲劇的で生命の危険さえある問題について考え直す機会を手にした。とりあげられたのは、過食症や拒食症の問題だった。・・映画やテレビ、広告などでは、食事にありつくためなら、殺人でもしかねないほどガリガリに痩せた女性が美の基準となっている。」p、67、68

と述べています。

この本が書かれた2003年から、数年たち、今では様々な体型の方がテレビ等で活躍しています。また、記憶が正しいか曖昧ですが、twiceのメンバーの方が、過去の体型を振り返り、食事制限を行いやせようとしていた昔より今の方が良い、自分が食べたい時に食べて、自然体でいるのがいいというような発言をしていた記憶があります。

やはり、自然体の自分を肯定的に捉えることが、生きやすさに繋がり、より良い自分に近づけると思います。

細い人もいますし、ぽっちゃりしているかたもいる、がっちりしている人もいるし、身長が低い人もいますが、それぞれが自分の姿に自信を持ち、自分がなりたい姿を自由に選択できるといいなと思います。自分も、細くて、周りから「太れ」や、自分を見て「細いのは絶対いや、まだ太ってる方が良い」等言われたことがありますが、それは気にせず自分が自分を一番誇りに思って、外見より中身だと思って、自然体の自分を大事にしてます。

しかし男性と女性で求められるイメージが違うのも、疑問に思います。女性は、細いほうがいいとされるのに、男性は細いとだめで、男性は身長が高い方が良いとされ、低いと笑われるけど、女性は低くてもよいとされる。社会には性差別的な見方が多くあり、やはり自分にも性差別的な考えがすごくこびりつているんだと気づかされます。

まとめ

今回は、初めての投稿と言うことで、たまたま最近気になったテーマで、読んだ本について書いてみました。
この書物からは、フェミニズムと言っても色々考え方があることが分かりますが、このベルさんの考えは、とても理解できるな~という印象を受けました。中絶の権利や、リプロダクティブヘルス・ライツについても書かれていましたが、やはり男女関係なく、平等が大事であることや、力がない立場の人たちの権利保障、暴力をしていけない、人を見た目で判断したり、美を一つにするのではなく、多様性を大事にするというのは、今の社会に求めてられていることととても重なる部分があると感じました。フェミニズムについて、イメージが変わる?と言ったら変かもしれませんが、今の社会に求められていることが良く理解できる、フェミニズムについての考えがより深まるような一冊でした。この本が気になった方は、是非図書館等で読んでみてください。

では、次回からは一日一つ気になったニュース等を取り上げ、それへの考えや、少し勉強して、解説ができればいいなと思います。

一日一英語!

OOを~にする
「I make him happy / This manga makes me laugh」
主語 make OO の形で色々考えてみてください!

では、bye for now!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?