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給料が上がらない理由

日本の実質賃金って97年からずっと下がって来まして、もう15%くらい下がったんだけど。
これね、実は前半と後半理由がかなり違うんでゴッチャにしちゃうとコリャ解決せんなって思っててね。
実質賃金の下落の理由が違う


・名目賃金が(物価上昇分そのままスライドして)上がっただけのパターン

■まずね、「所得」って何なのか

例 (※原価は0円とする)
まず、1本100円のマジックをkさんから買いました。
kさんの所得はいくらでしょう?
A :100円

■では物価が10%上がりました。
kさんはマジック1本を110円で売り、110円を手にした。
では、kさんの所得は上がったかというと、名目賃金は上がってるが、"実質賃金は上がって無い"。
上がった10%の物価分上乗せしてるだけだから。
給料も物価も10%ずつ上がってるだけだから、実質賃金は上がって無い。

・じゃあ実質賃金はどうしたら増える


■じゃあどうやったら実質賃金増えるんですか?

今度は投資をして、今まで1本しか作れなかったのが2本作れるようになった。そして価格は100円のまま
で、kさんが2本売ります。物価も100円のまま
kさんの所得は200円、そして実質賃金が上がってる。

※それまで1本(100円)分しか製造出来なかったので、1日MAX100円の売上だったのが、2本作れるようになるコトでMAX200円に。

このように実質賃金を決めるのは基本的に「生産量」なんですよね、"金額じゃない"。

・実質賃金が下がるパターン


■次は(物価は措いておいて)実質賃金が下がるケース。
今まで2本買ってた顧客が「1本でいい」と2本買わなくなった。
実質賃金は100円()下がる。

なぜ2本買ってくれていたのに?それはお金を使いたくないから。
これを需要の減少という。

本来2本売れる需要を持っていたのに、それが半分になっちゃったら実質賃金が下落するんです。
それがこの辺です、民主党政権くらいまで。

民主党政権 1996~1998年

ここはモロに需要の縮小ってのが起きてまして、みんなの実質賃金が下落してったんです。買わなくなった。

kさん「なんでみんな使いたくないなあって?」
三橋「実質賃金が下がってるからですよ」
k「それが、さらに下げるみたいな?」
三橋「そうです。そういう悪循環に入っちゃうんです」

三橋「私が1本だけでいいからって100円だけしか払わなかったら、kさんの実質賃金半分になっちゃうんです、これ、使いますか?」
k「私も使わなくなっちゃう」
三橋「使わないでしょ?」


・有効策を打つどころか…な政府


■民間だと合理的にそう成っていくので、政府が「財政支出で需要を拡大」しなきゃ駄目ですよと
政府だったら私がホラ「給料減ったから使わな~い」っていっても関係無いんだから、国債発行するだけでしょ。それを遣らなかったからね、それが民主党政権くらいまで続いたっていうのが「前半」の実質賃金の下落局面だから、実は前半は物価は下がっていったんです。みんなが買わないから物価は上昇しなかった。

■でも、本質はそこじゃない。
例えばkさんが、マジック2本作れる。
物価が10%下がっちゃったから(1本100円だったのを)1本90円で売る。
2本で180円
名目の所得は(200円から180円に)10%落ちるんだけど10%実質賃金はんですよ。

だから実質賃金が下がるってのは、飽くまでこの生産量・販売量が減った時なんです。


だから「デフレ=物価の下落です」って言ってるのはオカシイんです。
大体(売れないから)物価下がるけどね。

でも、物価が下がるだけで販売量が変わんなかったら実質賃金変わらないんですよ。

ただ一般的に確かに、「えー!1本しか買ってくれないんですか?」ってなったら、こう言い出すわけ「安くしますから、セットで安くしますから」だから結果物価は下がるんだけど、大元は"需要の縮小"なんです。

・財務省の鬼子「消費税」


■で、問題は第2次安倍政権以降の実質賃金の下落なんですけど、ここにですね余計なモノが入って来た。昔もあったんだけどこっから明確に余計なモノが入って来た

例えば、(※消費税100% の場合。)
1本100円のマジックを200円にしました。
でも、消費税で(稼いだ200円のうち)100円は持っていかれる
消費税100%って言われても、消費税は「直接税」だから別に無い、耐えられないでしょ?

で、1本200円で売ると名目は倍に増えるんだけど、100円は政府に持ってかれる。

買う方は支出増えてるんだけど、kさんも私(三橋・買う側)も"所得増えて無い"んです。
だから実質賃金が下がる(という)問題が1個ある。

だからここ2013年~14年、97年の消費増税以降も同じ事が起きたんだけども、当時はそれに加えて「消費の縮小?※」(※?よく聞き取れず)てのがあった。
2013年ら辺はモロに消費税の影響
2021年ら辺は輸入物価上昇なんだけど

・円安など輸入物価の高騰


■もう1個ある。
外国人がマジック1本100円で売る、三橋(日本)側は輸入。
で、ある日いきなり「200円です」って言い出す。買わないわけにはいかないので払う。
日本国民誰も所得増えて無いです。増えたの外国の方だけです。だから実質賃金がここ(`21辺り)下がってる。

この2つ ((高税率の?)消費税と輸入物価高)が、つまり (本来は生産量で決まるのに)外部から与える影響なんですね。


・実質賃金とは本来「生産性」で決まる

■もう1個「労働分配率」ってのがある、これ何でかっていうと
例えばkさん従業員をいっぱい雇ってる、それで1本しか生産できなかったのを2本出来るように成りました。で2本売れたら実質賃金2倍になってるんだけど、でも従業員さんの賃金も増やさないといけない
"据え置きなど労働分配率が下がっちゃうと実質賃金が伸びない"

実際に所得を最初に稼ぐのは企業、そっからどのくらい従業員さんに配りますか?
だから、そのままの割合で従業員さんの賃金実質賃金上がるけど、そうとは限らないから「労働分配率」が関係してくる。

だから上の外部要因(消費税・輸入物価)無かったら、この2つ(生産性・労働分配率)だけで実質賃金は決まります。

k「前半は特にそうだったってことですか?下落の」
三橋「そうです。ま、97年は「消費税」有ったけどね。」
「そこに、外からやって来た悪影響が"消費税"と"輸入物価"」
k「が、後半重なった?」
三橋「安倍政権の時の実質賃金の下落はコレ(消費税)だよコレ、で現在がコレ(輸入物価)」
「なあ~んでございます。分かりました?」


つまり前半は需要の縮小によって
・`89.3%,
バブルの勢いやその余波によってか実質賃金は上昇を続ける。
「増税は景気の良い時に」という言葉を裏付けるかのようだ。

率が比較的小さかったこととバブルの余勢によって`14以降ほどではなかったのかも知れないが、それでも消費税は影響したのだと思う。だから需要が縮小し実質賃金が下がり、故に購買力が落ちと負のスパイラルに陥って行ったのだと…。それが`97の5%への増税によって加速したと。

・`97.5%,
`98から明確に実質賃金が下がり始める。

・`14.8%,
ここからが「後半」だと、ここから分かりやすく消費の足を消費税が引っ張り出したと。

`19.10%,


前半は生産性の低下 (つまり売れない)と。しかしそこには外部要因としての消費税は大きかったと思う。

後半はさらに税率UPと円安等の輸入価格の上昇と。

前半はバブルの余力が弱まって「生産性」(需要)が冷え
後半は(「消費税」)増税と円安(「輸入物価」)
によると。

三橋氏と森永氏は共通して「消費税」にメスを入れろと言うことなのだろう。
さらに森永氏は法人税を下げよというのは「労働分配率」の話に繋がっているといってもよいのだろう。
って思った。

そして不謹慎な言い方かも知れないが、巨大な財政支出を打ち放題であるはずの地が、能登の方に広大に待ち受けているというのに、政治家だか官僚だかはそれを「コスト」といって出し渋りまくっているという…




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