見出し画像

夜ヲ想フ

ヘッドホンをした被験者がチョコをもらった、食べようと口に含んだタイミングで大人おとなしめのクラシックがかかった。

どうしようもない非運に見舞われ失意に沈んでいる中、静かになぐさめるような、そんな何だか淋しげな感じ…これは短調やな。そんな風に思った。
被験者はチョコの味を「甘い、けどちょっとビター」と応えた。

次にもう一つのチョコを口にすると、重い激しめの明らかに短調の曲が流れた。
すると今度は「さっきよりにがくて、甘さって言うよりも酸味の方が強く感じた」と言っていた。

実験のオチとしては、口にしたチョコはどっちも「同じチョコ」で聴いている音楽が味覚に影響を与えるという「クロスモーダル」の一種なのだという

え、ということは始めの曲は長調ってこと?

調べてみるとショパンのノクターン変ホ長調(Op.9-No.2)だった…
変ホ長調って何や?短調っぽく聴こえるのか?と他のを聴いてみようと思い、シューベルトの変ホ長調(作品90-2)を聴いてみた。

っっや!」とテンポの速さに驚いたが、しっかり長調だった。

切ない歌詞を明るい曲調に乗せて歌うと、より切なさが増して聴こえる手法があるけど、そういったのの過去の体験から淋しいような切ないような感覚が呼び覚まされたのかも…これもクロスモーダル(あ、後述致します)の一種じゃね?などと感じつつ

更に面白いのは、今度は、同じチョコだと後者では苦く感じるのだという。

身体中オイルを塗りたくったようなテッカテカな人の写真を見たあと、「テカってるように見える所は白い絵の具やで」って種明かしされた後だと、もう絵の具にしか見えないという『錯視』を思い出した。
この実験とは逆か?
でも、「それでも光ってるようにしか見えない」とか「どちらにも見える」とかってコメ欄には色々あったな。
自分の場合は、分かっててももうそうとしか見えない感じで、意識すると「あぁ塗ってあるのかあ」って当惑する感じがしました。

クロスモーダルはかなり気に入ってしまった概念なので、この後もこすっていくような気がする模様っす。


後述すんじゃなかったんかーい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?