歴史探検隊中国歴史旅ノート「敦煌と太白山」⑮ 日誌平成30年10月22日((月))

画像1 歴史探検隊中国歴史旅ノート「敦煌と太白山」⑮ 日誌平成30年10月22日((月))記録者:森島忠夫隊員 宝鶏市の朝も遅い。6時半頃でもまだ暗い。 8時 ホテルを出発。朝のラッシュの喧噪の中、渭水(黄河の支流)を渡りしばらく川沿いに進みます。西宝高速道路を西安方面に向かい、太白山インターから太白山を目指しました。
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画像3 高速道路は比較的新しく、車窓をポプラ並木が走ります。若い木が多く、高さ4~5メートルほど。周りは畑、牧草地がほとんどで水田は少ない。沿線には部落は疏ら、中には取り壊された部落や横倒しになった墓地などを見ました。  1時間ほど走ると秦嶺山脈の露払いというのか切り立った小さな山並みが目の前に迫ってきました。 9時45分 太白山森林公園に到着しました。虹色の歓迎アーチや李白のゆるキャラに迎えられました。登山用のマイクロバスの乗り換えて太白山拝仙台を目指しました。
画像4 泰白山自然公園は中国国家5A級風景名勝地で、国家級自然保護区、国家級森林公園に指定されています。中国一級保護動物のパンダ、金糸猴、山椒魚、一角羊などの貴重な動物、鳥、植物の宝庫といいます。  登山道は渓谷沿いに九十九折りに上ります。途中桟道を見ました。桟道は、崖の岩に穴を開け、丸太を通して棚のように張り出して、その上に板を渡した道です。2段になっていましたが、下段は朽ちていて上段を作り直したものでした。昔はいかに厳しい山道であったかが忍ばれます。
画像5 紅葉は、低山帯に銀杏などの広葉樹が黄ばみ、少し上に行きますとナナカマドが赤く染まり、松の緑が混在して日本の山とよく似た植生でした。   途中、蓮花峰という名所に立ち寄りました。ここに滝がありました。説明板では、名瀑布で高さ150メートルとありましたが、目に出来るところは目測で20メートル、幅は15メートルほどでした。飛沫が辺りを濡らし、豊かな水が滔滔と流れ落ちる勇壮な滝でした。
画像6 すぐ横には水月観音と命名された懸崖仏が彫られ、慈悲深い顔で私たちを見ていました。
画像7 さらに少し登ったところに渓墨山という見所がありました。ここは滑滝で、なだらかな岩肌を滑るように水が流れています。多くの文人墨客が訪れたようで、盛唐の「李杜韓白」を始め「百歌仙」の詩歌を短冊にした木札が藤棚にいっぱいぶら下がっていました。※南城、亀山隊員
画像8 次に世外桃源に立ち寄り、その後「神仙嶺」という景観の良い所に出ました(標高2590メートル)。雲海の上に鋭く尖った岩峰が見えましたが、間もなくガスって隠れてしましました。※左竹市、右白木隊員
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画像10 11時50分 駐車場に到着し、少し歩いて下板寺佛雲閣ロープウエイ乗り場に到着しました(海抜2800メートル)。気温四度、ゴンドラは2人乗りで、小走りしないと乗れません。
画像11 樹林は疏らで小さな松が多い、そのうち雪がうっすら見えるようになりました。ゴンドラの足下は空気取りか、風が入り足下から冷えてきます。20分ほどで上板寺佛雲閣に到着しました(海抜3200メートル)。
画像12 そこから拝仙台の展望台を目指して登り出しましたが、霧が深く、視界は1~2メートル。20分ほど登った時点で(海抜3250メートル、気温1度、湿度73パーセント)引き返しました。残念ですが寒くて何も見えません。わずかに見えるのは足下の丸太棒の階段と間近な松の木が頼りでした。  登山道を戻ったところに唯一の食堂聚仙閣がありました。そこで熱いお茶(有料)をいただいてお弁当をいただきましたが、冷えた身体を温めてくれました。※写真は森島隊員
画像13 太白山の全体が見られたらどんなに良かったことか?しかし、観光ルートにおいては現代風モニュメントなど人工物が多く、山の森においても自然林が少なく人為的な感じがしました。  それは何故か?森には高木、古木が少なく、朽ちた木や落ち葉が少ないのです。そこには森の息吹が感じられないのです。低山帯から高山帯にかけての広葉樹林、針葉樹林の段階的な植生。どれをとっても自然のハーモニーが感じられません。
画像14 普通、高山帯では亜温帯の森林限界は2500メートル、そこまでには這松のような超低木があり、普通の木は生えなくなります。ここは人工林なのか?違和感を覚えます。ともあれ、5A級の国立公園にしては、環境保全がお粗末な気がしました。  ただし、太白山そのものを冒涜する気は無く、「木を見て森を見ず」のたぐいで私の偏見であってほしい。
画像15 登山バスで太白山から下山し、麓の温泉郷に行きました。鳳凰温泉のあかね色のゲートが見え、3人の美女のお出迎えを受けました。水着に着替えて外に出るとそこは庭園の中、大小数十の浴槽(露天風呂)がありました。そこかしこで美女からタオルをかけていただき、美味しいお茶のサービスがありました。目を瞑れば桃源郷に迷い込んだような気分。風呂から上がばジュースやヨーグルトのサービスのありました。 午後5時過ぎ 鳳凰温泉を出発し西安市に向かいました。
画像16 午後7時過ぎ 西安市に入る頃は黄昏れてすっかり夜の帳の中。イルミネーションで縁取られた長安城外郭を正門、南門と巡り朱雀大門に到着しました。※長安城壁
画像17 中止部の鐘楼が遠くに見える。
画像18 鼓楼の夜景
画像19 夕食は、鼓楼近くにある餃子で有名な「徳発長」でした。通常の中国料理に各種餃子のオンパレード。豚肉の焼き餃子をはじめ、クルミ、アヒル、魚、ほうれん草など数々が並びます。焼いたり蒸したり煮たりと調理方法もいろいろ、シュウマイもありました。餃子の皮は麺のようにこねたり伸ばしたりして薄くして型でくりぬいているところを厨房のガラス越しに見えました。
画像20 夕食後は町に繰り出し、お土産のショッピングを楽しみました。数多くのお店がひしめき合い雑踏の喧噪の中に中国への親しみが湧いてきました。  ホテルの西安賓館では今回の中国歴史旅の反省会、思い思いに感想を述べ合ってきました。

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