管長日記「学びの一日」文章と感想20240930
大体、1/3くらいが会社社長との対談、2/3が揚腕法という健康法の講座参加の話。
学びの一日、として書いているが、まさに日記といった感じ。
午前、午後の関係に直接繋がりは無いが、「後継者」と「修行僧」という言葉があり、意識、目線が教育者、指導者といったスタンスにあるように思える。
構成と内容
1.午前は企業社長との対談(聞きて役)、出版社企画、かなり年配の方
「人をトコトン大切にすることを大切にする」、まず社員とその家族
その次に、取引先とその家族、その次が顧客、そして四番目に地域社会、そして五番目が株主
利益を先に考えるのは邪道、利益は結果
後継者を選ぶときにも血縁では選ばれなかった。うまくゆかない。自分の考えをよく理解してくれる人に託した。
老師感想:鎌倉に近いところで、こんな素晴らしい会社と感動
2.午後は揺腕法を習う、修行僧たちと
2-1.揚腕法の講座実施の経緯
今年『揺腕法』という本をみつけ興味をもつ。
「腕を振るだけ!シンプルな運動で、身体のOS(基本システム)が変わる」とあるが、よくわからなかった。
藤田一照さんから、揺腕法の創始者小用茂夫のことを聞いた。一照さんの人脈は広い。 はじめに八月に一度小用先生に円覚寺にお越しいただいく。『揺腕法』編集担当の下村敦夫さん(日貿出版社)もお越しいただいた。
一回目、かなりの時間を教わったが、お盆の行事などあり修行僧たちも全員ではなかった。
2-2.講座2回目、下村さんが先生
二回目、もう少し皆で学びたいと思って、今回は下村さんにご指導をいただいた。
小関勲さんのヒモトレの本、西園美彌さんの魔女トレの本も編集
お若い頃からいろんな武術を習う。あるところまできたところで、「果たして自分は武術を学ぶに足る前提が備わっているのか?」という根本的な疑問にぶつかった。
揚腕法の特徴:スワイショウと似るが、そのように脱力したものではない。揺腕法では、内圧を保ったまま行い、脱力ではない。
『揺腕法』の本の記載、武術の家の例え、土地や基礎といった土台が必要、武術も流儀の形や技術が優れていても、前提となる身体が必要
坐禪の「形」に類似、土台をどう作ったらいいのか、私(老師)は日々研究。特に若い修行僧たちには、苦行ではない坐禅を体験してほしいと思っている。
2-3.「土台」を作ること、身体の基準性
【説明】
小用先生が大事に説かれる、身体の基準性
1 垂直性 地面に対して真っ直ぐ立っているか・座っているか
2 水平性 肩や腰などが地面と水平であるか
『揺腕法』「地球上に住む生き物はどこにいようとも、鉛直方向、つまり垂直方向に働く重力の影響を受けています。なかでも二足歩行をする我々人間は、最も垂直性と水平性に敏感な動物といえます。」
【坐禅への言い換え】
この垂直性と水平性を正しく保ったのが坐禅の姿勢
垂直だけを意識して背筋をまっすぐにしようとしても、その土台は水平性にあるので、水平性がしっかりできていないと垂直性も無理なのです。
私は揺腕法を自分で実習してみて、この水平性をよく意識できるようになりました。
これは坐禅にいいと感じたものですから、修行僧たちと共に教わったのでした。
【実施と効果】
予定の三時間を大幅に超えて四時間近く実施
二人や三人で揺腕をおこなっていると、自分で腕を振っている感覚が消えてゆく。
「自我、はからいがなくなっていく感覚」、坐禅の深いところに通じる。自我を離れるにはいろんな方法のひとつと感じた。
■教育の基本問題
筆者(この記事の)はたまたま森信三『修身教授録』を読んでいて、「第33講―敬について」(p.483-)にこの問題について書かれていた。
「そこで教育の基本問題は、どうしたら生徒たちが、自分を尊敬するようになるだろうかなどと、あくせくとすることではなくて、まず教師自身が、自分の尊敬する人を求めて、生徒と共にその方の教えを受けるというような、謙虚な態度から出発すべきでしょう。」
多くの修行僧を相手にする、禅の老師もそのような教師としての性格があるのだろう。『碧巌録』の記載、問答も、老師と僧侶のやり取りであって、「悟り」のための訓練における出来事で起こったものである。
老師の日記には、よく修行僧を連れて云々というのがある。また、よく自身が「学ぶ」、「教えてもらう」と書いている。
禅寺、会社にとどまらず、様々な組織で言えることだろうし、ネットが普及して人が集まらなくなっても、通用するのだろう。
■スワイショウについて(立命館大学学生サポートルームのサイトより)
スワイショウは、だれでも簡単にできる運動で、疲れた時に、ささっとできて便利です。まずは、両足を肩幅くらいに開き、膝を軽く曲げて立ちます。
肩と腕の力を抜いて、ぶらんとさせてください。
そして、腰を中心に手をふっていきます。
*腕を左右に振って
腰を軸にして、肩・腕は力を抜き、ひねりにあわせて左右に自然に放り出します。
背中を軸とした、でんでん太鼓のようなイメージで、やってみてください。
腕によって、腹部と腰がたたかれて、刺激されていきます。
*腕を前後に振って
おへその高さまで、両腕をいっしょに前後に振りましょう。
ひざは曲げないようにしてください。
この動作を繰り返していると、無心になり、自然と瞑想状態に入ります。
マインドフルネスがおのずと生じるような感じです。
背骨の周りの筋肉をほぐすことになり、自律神経のバランスが整っていくということも言われています。
オンライン授業の前後に、特にお勧めです。
動画などもあるので、ご自身で検索して参照してください。
椅子の近くに立って、力をぬいて、ぶ~ら、ぶら。
どうぞお試しください。
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