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データでみると、世界はよくなっている〜ファクトフルネスを読んで〜

FUCTFULNESS(ハンス・ロスリング他)を読みました。

世界を二つに分けるのはもう古いのです。
富めるとか、先進とか、途上とか。

4つの所得レベル

この本で、驚いたのは世界の所得を4つに分けるやり方でした。
例えば水を手にいれる方法について。
※金額は1日の収入
レベル1 1ドル 何時間も歩いて水をくみに行く
レベル2 4ドル 自転車ですぐに水をくみに行ける
レベル3 16ドル 水道がある
レベル4 32ドル お湯が出る

人口比で言うと世界の42%がレベル2です。
インド、ベトナム、ナイジェリアなど
次に多いのがレベル3で28%です。
中国、エジプト、ブラジルなど。
私たち日本人のレベル4は14%でしかない。
レベル1の国も14%です。
中央アフリカ、ソマリア、アフガニスタンなど。

所得と健康のグラフ

このデータは最新版をネットで見ることができます。
gapminder.org
収入と健康の関係を示したバブルチャートというのがとても興味深くて、いつまでも眺めてしまいます。
一見して、お金持ちの国ほど健康です。
明らかに右上の直線のグラフです。

日本はもうお金持ちのトップクラスではありません。
レベル4の中では真ん中より下に位置します。
世界1位になったこともある日本。
グラフで見ると明らかにヤバい。落ち目?
ただ、平均寿命世界一はまだ維持していて、健康度は文句なしの1位です。

シンガポールがアツい

しかし、健康度もおびやかされつつあります。
日本とほぼ同じ平均寿命で、もっともっとお金持ちの位置にいるのがアジアの小国、シンガポールです。
淡路島ほどの面積しかなく、水や食料はほぼ輸入にたよっているそうです。
しかし政治の仕組みや経済の仕組みは日本とはかなり違うそうです。
ジリ貧の日本はシンガポールに学ぶべきでしょう。
シンガポールの国事情に興味がわいてます。
オリラジのあっちゃんも移住してますし。

日本の長寿は健康保険のおかげ

また、日本より相当お金持ちの位置にいて、平均寿命がとても低い大国も目立っています。
それは、アメリカ。
お金があっても健康ではない。
その理由は医療費がバカ高いから。
オバマさんが国民皆保険を目指すのもわかりました。
日本は健康保険に全ての国民が加入していて、安価で高度な医療を受けることができるため平均寿命が長いのです。
世界でも有名な話らしいです。
もちろん食生活の習慣も貢献しているはずです。
世界に誇る和食のおかげです。

負の歴史からの発展

このグラフは1800年までさかのぼって数値を見ることができます。
まるで、天気チャンネルの雲の動きを再生するように。

1800年頃は全世界がレベル1の暮らしをし平均寿命は40歳以下でした。
1900年ころグラフは変化を始め右斜めの直線を描いていきます。
収入が増えるにつれ、健康も増進します。
そんな中、日本は1945年の平均寿命が30歳でした。
現在の半分以下。
信長より短命。
日本人ならだれでも理由がわかります。
その年のドイツは30歳以下で、アメリカ、イギリスは70歳近くでした。
こんな数値からもいかに人命を無視した戦争に突き進んだかを知ることができます。

1950年頃までは世界中のほとんどの国がレベル3以下でした。
そこから一気にレベル4の国が増えていき、日本がレベル4になるのは1970年ころです。
同じころ産まれた私の生活実感としてもぴったりです。
子供の頃は年に1度温泉旅行に行く程度でした。
電話が各家庭時代になっていったのも私が小学生の頃です。
それから10年ほどで大学生の私は海外旅行に行くようになりました。
いわゆるバブル期に。
あっという間に、日本はお金持ちになり、大学生のバイト代で飛行機に乗る時代になったのです。
さらに10年経つと、専業主婦でもケイタイを持つようになりました。

ロシアとウクライナはどこ?

他の国のことも面白いように事情を見抜くことができます。
例えば現在のロシア。
レベル3とレベル4の境目ほどに位置しています。
同じような位置にあるのはマレーシアやカザフスタン。
平均寿命はアメリカより低い。

ウクライナはレベル3です。
平均寿命はロシアより高い。
お仲間はアルメニア、モルドバそしてセントルシア

アルメニア トルコの東にある小国
モルドバ ウクライナの西にある小国
セントルシア 東カリブ海ドミニカの南にある島国。

ウクライナは大国ですが、財力はそれほどでもなく、ロシアの軍事力にはとうていかなわない。
ロシアには、おいしい隣国に見えたでしょう。
簡単に手に入りそうな。
それが予想外の抵抗をして、戦闘は長期化して、もうどうなるのかわからない。
ただ、独裁化したら訳の分からない戦争を始める国があるという事実だけは理解しました。
そして、たぶん、国際社会で孤立したらどうなるか、それも見せてくれるんだと思います。

まとめ

ファクトフルネスで一貫して伝えるのは、「世界はよくなっている」
極度の貧困は過去20年で半減していると。
自然災害もテロも数字の上では、どんどん減っていると。

私たちは過去の記憶や偏った報道で悪い方へ考えてしまいます。
報道で見せられる数字を冷静に見ることを学んだ一冊でした。

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