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白内障と緑内障                       真生会富山病院 アイセンター 植田芳樹

白内障と緑内障、目の病気の中でもとても有名であり、一度は聞かれたことがあるかもしれません。名前は似ていますが、まったく異なる病気です。

まずは白内障。目の中の水晶体が濁ってきて、視界全体が霞んで見える病気です。遠くも近くも、眼鏡をかけても霞みます。ちなみに眼鏡をかければ見えるのは白内障ではなく、近くだけ見えにくくなるのは老眼です。年齢を重ねるとすべての人がなるものであり、手術で治ります。長生きされるといつかは手術をしないといけませんが、手術の時期は基本は「見えにくくて困ったら」です。

白内障以外の病気で見えにくくなっている場合があるので、症状があれば一度眼科は受診された方がいいですが、白内障だけと言われれば、困れば手術、困らなければ経過を見る、と考えましょう。白内障の種類によっては、困っていなくても医師から手術を勧められる場合もあります。

「白内障手術後は眼鏡がいらなくなる」と思っている人がありますが、原則は術後も眼鏡は必要です(老眼が治るわけではありません)。ただし、眼鏡の度数が変わるため生活しやすくなることが多く、最近は遠近両用のレンズを眼内に入れることも可能になりましたので、眼鏡に対する要望がある場合も眼科で相談されるとよいでしょう。

一方、緑内障は、目の奥の視神経が傷んでくる病気です。症状は、最初は視野が欠けてきて、放置しておくと最後は真ん中も見えなくなってしまいます。緑内障の恐ろしいところは、症状が出るのはだいぶ進んでからであること、そして一度傷んだ視神経は二度と戻らないことです。ですので、症状のない間に健診などで発見して、管理をしていくことが重要となります。

40歳以上の20人に1人が緑内障と言われますので、40歳を超えたら年に1回、眼底検査などを受けるようにしましょう。

緑内障がある場合、生涯眼科への通院と治療(主に目薬です)が必要ですが、初期に発見して管理をすれば見え方で困ることはありません。必要以上に恐れず、定期検査を受けて、よい目を保っていきましょう。

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https://youtu.be/f6t4DYaUh5Q

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