「ガン免疫療法 ガンワクチン療法が本格的に世の出そうだ」/免疫チェックポイント阻害剤(オプチーボ、キートルーダ、テセントリク)とm-RNA
がん免疫療法 がんワクチンが本格的に世の出そうだという、ロイターからの翻訳記事が、AnswersNewsに掲載された。
ガン細胞の持つ抗原をワクチン化し、ガンを予防若しくは治療しようとする研究は古くから長い間されてきました。しかし、なかなか効果ある薬物形態を実現出来ずに来ました。
しかし、ここに来て新型コロナウイルスに対して用いたm-RNAを使ってガンワクチン療法の幕が開けようとしているようです。
メルクとモデルナが大きな効果有りと発表
記事によると、免疫チェックポイント阻害剤キイトルーダ(抗PD-1抗体:オプチーボと同様のガン抗体医薬)を持つメルク社とm-RNAのモデルナが共同治検を行っているが皮膚がんが広がるリスクが65%減少したと発表しました。大きな効果があることがわかったということです。
記事中には、
「研究者らは何十年にもわたって、がん治療ワクチンという夢を追いかけてきたが、成功例はほとんどなかった。専門家によると、8週間ほどで製造可能なmRNAワクチンと免疫系を活性化させる薬剤の組み合わせは、新世代のがん治療につながる可能性があるという」と記載されており、その歴史的背景も含めて、免疫チェックポイント阻害剤とmRNAの意味が大きなことが推察されます。
メルクとモデルナのほかにも、m-RNAワクチンを開発した独ビオンテックと米グリッドストーンが同様のアプローチで開発を進めているということ、また
「科学誌「ネイチャー」に先月掲載されたデータによると、ビオンテックの個別化がんワクチンとロシュの免疫療法薬「テセントリク」を併用した進行中の小規模な臨床試験では、16人の膵臓がん患者の半数で免疫反応が見られ、18カ月後に再発の兆候を示した患者はいなかったという」
とも記載されていますので、ロシュー中外連合も同様のアプローチを進めている可能性が大きいでしょう。
ここにあげた、免疫チェックポイント阻害剤はキートルーダは抗PD-1抗体(小野薬品のオプチーボも抗PD-1抗体)、テセントリクは抗PD-L1抗体であることを考え、この系列を見れば、小野薬品ー米ブリストル・マイヤーズスクイブ連合も開発を進めている可能性が高いと言えるでしょう。
メルクとグリッドストーンは来年第一四半期に後期臨床試験のデータが得られるということでCEOが「これまで発表してきたすべての内容から、私たちは本当に興奮している」とまで言っています。
推測に過ぎませんが中外や小野薬品が同様の開発をしているなら、是非負けずに頑張っていただきたいと思います。