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「家庭の運営という概念 その52」/今求められている教育

中等教育に関する興味深い記事を見つけたのでご紹介します。

ここで述べられている中等教育には、人間を育てる本質的事項が語られています。

成長の機会

実際、このスクールでは、これは相当の手間とコストを懸けてはいるのですが、一人の生徒、人間に自己認識を促し、気付きにより自発性を育て、成長へと結び付けていく。
人間が成長するということを自覚するには、まずこういうプロセスが必要だと思います。
中等教育で、自分が興味を持ち、掘り下げていける経験と意志を身に着ける。それには、親のサポートは必要ですが、第三者が褒める、評価するというトリガーがあることが非常に重要だと思います。
そういう意味で、このスクールまでとはいかないけれど、通常の学校のほかにそういうチャンスに巡り合える機会は、学校が万能でないわけですから、やはり重要だと私は思います。
それは、もちろん、授業との対比で部活でもよいし、塾でもよいのだと思います。個人個人にとって、それが一つでも見つかるように親が仕向けていくこと、これによって子供の成長の如何が決まってくると思います。

繋がり・自発・有能感

そういう中で彼らが不可欠のポイントとしてあげているのが、繋がり・自発・有能感の三つです。
人間はやはり他の人との関係の中でこそ、自分を認識できるわけです。そういう意味で異なる他者とのつながりを形成することは成長のベースでしょう。
そして、やらされるのではなく、自発的に取り組む、これなくして継続は無く、継続無くして、成長無しです。
さらに、有能感。このポイントは極めて重要です。クリエイティブなことに取り組むには、この有能感が無ければゾーンに入ることができないと思います。
第三者に認めてもらい、繋がりの中で、自発的に取り組み、それが創造的な活動であり有能感が湧く、こういう環境で一人一人が体験的に成長していくことができれば、教育の生産性は飛躍的に高まるものと思います。

哲学・批判精神

さらに彼らが実施しているのは、中等教育において、哲学を学び、批判精神を養うということです。
このことの重要性を、現今の大学を含めた教育機関は十分認識してほしいと思います。
ともすると、優等生が上層のレール上を歩いていくことが成功だというような価値観に支配されている現在の社会。ただし、そんなことが個人にとっても社会にとってもいつまでも続くわけではなく、いついかなる変化がこの社会を覆うようになるか、あるいはいつ個人の状況が組織や情勢によって振り回されるようになるか、わからない激しく展開するこの現代において、根本の問い直しを知らない弱い人間ばかりを教育が再生産し続けることになっています。

そうであれば、哲学をはじめとしたリベラルアーツこそが個人の基盤のはずです。それによってこそ、一人一人が本来の意味で多様性を持ち、教育が危機や変化に強いしなやかな人間を再生産し続けることができ、結果的に全体として豊かで、危機管理能力に優れた強い社会になるのです。

いつの時代も、教育によってこそ、未来が開かれます。

アメリカ発ですが、スタンフォード・オンラインハイスクールのやり方と言うのは、ある意味でかつて日本で行われていたとも言える古典的な方法論がベースになっているとも言えます。
現今の日本の教育界、あるいは子供たちの親世代に方々には、十分参考にされ、子女の教育に資するよう、勘案ご活用をされたらよろしいかと思います。



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