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「この金融不安は本物かもしれない、大きな変動が起きるかもしれません」

先行き大きな変動を伴うものかもしれません

3月の上旬から、米欧から日本を揺るがせてきているシリコンバレー銀行破綻を発端とする金融不安ですが、よくよく考えてみますとかなり大きな変動を伴うものだろうという気がしてきました。

今日3/27の下記ニュースはこれまでと同様、この金融不安がなかなか一筋縄ではいきそうにないとのネガティブな方のものです。

IMFの理事が北京に行き、どういう意図で発言したのか、わかりませんが、先行きが心配とのネガティブな意見だと思います。
今後も、落ち着くというもの、あるいはまたリスクがある若しくは大きいというニュースが交錯するものと思います。
先般もそういう情勢であることを既報もしました。

デフレからインフレパラダイムへの転換期

これまでも申し上げてきたように、今現在の状況は、30年以上続いたデフレトレンドがインフレに変わるパラダイム転換のタイミングに来ているということです。

これは短中期の変動ではなく、中長期の大きな変動であるという点に注目しなければなりません。
長く続いたデフレ下の低金利に慣れた金融機関は、金融緩和による大膨張を経てきたためにインフレ時代にすぐに対応できなくなっているということだと思います。
それがシリコンバレー銀行破綻により始まったという可能性が有ります。

デフレの始まりと終わり

1970年代後半に英国にサッチャー首相が登場し、1981年にはそれに対応するように米国でレーガンが大統領になります。
そして、新自由主義、またの名であるグローバル化が始まるわけです。そのことにより、西側は冷戦に勝利し、冷戦終了が齎されます。
冷戦終了は、China、東欧を含む東側の大人口を西側経済圏へとなだれ込ませ、それが労働年齢人口の爆発的増加を齎し、デフレが始まりひたすら金利は低下し続けた時代が30年以上にわたり続いてきたわけです。

そして、ついにChinaを含む旧東側も西側経済に取り込まれ、労働年齢人口の減少が始まりました。

このような大きな変動には、デフレ下で慣れ切った金融機関はすぐに対応できない

当たり前ですが、このような大変動には、それまでのデフレんトレンド下の経営に慣れ切った金融機関はすぐに対応できないと思います。
デフレが始まった1980年代から90年代ころまでには、その種の金融機関の対応不全が、米欧はもちろん、日本もバブル崩壊という名の金融崩壊で有名ですが、不可避的に起きるということなのだと思います。
今回の金融不安も、10年くらいは何らかの形で続く可能性が有るかもしれません。

そういう意味で、今回の金融不安はリーマン以上の大変動の可能性が有ります。

いま、この金融不安に対するメディアや金融当局、そして国際金融スジもリーマンよりは大きくないある程度で収まっていくだろう金融不安との認識がベースにあります。
これも、デフレトレンドに慣れているイナーシャから脱することが難しいということを示しています。

このパラダイム転換への世界の対応には長時間がかかる

しかし、背景をこのように追ってみると、10年単位の変動ではなく、30年から40年以上の一世代以上の期間の長期の変動ですから、その変動の大きさはリーマンの比ではなくて当然と言えます。
もちろん、それがすぐに大暴落というショックが起きるということではないかもしれません。しかし、インフレパラダイムへの転換に際しての金融界や当局あるいは世界の政治が対応していくのに費やされる時間はやはりかなり多くを要する可能性が高いと言えると思います。

我々、この世紀の大変動をリアルタイムで体験する世代

文字通り、我々はこの世紀の大変動をリアルタイムで体験する世代だということです。
様々な主役わき役が、この変動の時代を彩っていくと思います。
その中で、個人投資家はどう振る舞うか、それぞれその意志と性根が問われることになるでしょう。

面白い時代に遭遇したものです。





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