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「パウエル議長発言はサプライズだった。ニューヨーク株大幅下落、為替は欧州利上げも読み大幅円安。しかし本当にサプライズ?」

昨日8/26深夜から本日8/27にかけて、市場は大きく動揺した。落ち着いていたVIX指数は20を超え、ニューヨークダウは1008ドルの大幅下落、ナスダックも同様に3.9%下落。

市場関係者の甘い期待、すなわち来年23年には利下げに動く、という読みを見事に打ち砕いた。

インフレとの闘いは、家計や企業の痛みを伴っても断固続ける、物価安定の回復失敗はより大きな痛みを意味する、という強い表現に市場関係者はうろたえているように見える。

上記、日経が取り上げた市場関係者は、
1)もう一段の利上げは株式相場を押し下げる、たださえ秋は相場を押し下げるので一段の株式相場下落が起きる。
2)欧州ガス供給をロシアが引き締めインフレは昂進含み、QT一層進み、利上げ継続は企業業績悪化へと進み、株価下落する。
3)9/2公表の雇用統計、9/13公表のCPI(消費者物価指数)で数字が悪くなければ、大幅利上げ継続し、米国景気は大減速。
とのコメントを寄せ、うろたえを隠せないでいる。
このコメンテーターが、有名どころでなさそうなのが一つひっかかるが。


また、為替も大幅円安に振れた。ドルに対しては137円60-70銭、のみならず注目はユーロで前日比1円ほど安い137円00-10銭。これは

欧州が9月にも0.75%の利上げに踏み切るとの予測によるものらしいが、天然ガスや原油が欧州>>米州で今後値上がりが予測されるとなれば、当然思い切った利上げもあり得るだろうと思う。

斯くサプライズがどーんと来たような状況で、週明けの日本市場も相当荒れることが予想される。
パウエル議長の発言は、かなりサプライズを拡散させたと言える。

しかし、しかしである。その発言内容を見ると、一週間ほど前からリークされていたFRB関係者の発言と内容を異にしていない。
下記8/19本コラムでも取り上げたFRB関係者の言とパウエル議長の発言を比較してほしい。

利上げは継続する、利下げなど時期尚早、インフレ鎮静化の見通し出るまでは予断許さない、、、全く昨夜のパウエル議長発言と同じである。ひとつ家計や企業に痛みを伴うがそうしないで大きな痛みを伴うよりまし、との発言だけが追加されているように見えるが、内容は同じだと思う。

こういうサインがすでに出ていたので、大きなサプライズかというとそんなことはないのではないか、とやっかみたくなる。日経はサプライズ一辺倒の報道であるが、なにか意図があるのではないかとも言いたくなる。

しかし、やはりロイター報道は少し違っていて、

二人の市場関係者の発言を掲載しているが、予想通りの内容だった、市場は多少伸び悩むだろうがサプライズではなかった。と事前のFRB関係者の言を取り上げてコメントしている。
こういう報道も、今後日経は参考してほしいと思う。

日経はほんとに、低レベルをさらしていると言っても言い過ぎではないかもしれない。イエローカードを出しておきたい。

以上、パウエル発言からの市場の動きや解説を拾いあげて、論評してみた。
ご参考まで。


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