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世界情勢、歴史、政治、経済、金融

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ときどきの世界の、政治、経済、金融などの情勢についての良し無しごとを語らせていただければと思います。日本の国益を主軸に置いたエッセイになればと思っています。
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#利上げ

「金融・経済時事コラム一覧」俯瞰と目次ver.2

 その時々の金融情勢に関する記事を、読者の方々の便宜のためにVerアップしました。テキストで一覧にしていました。 ・世界情勢、歴史、政治、経済、金融マガジンに、本記事を固定表示しています。 ・時系列で新しいものから降順で並べました(上から新しく、最下部が最後) 5/23 「イエレン米財務長官の牽制で、介入出来なくなっている日本政府当局。少しの間円安は続きます、でもいずれ円高にふれます」|りょうさん (note.com) 5/11 「円安、円安と喧しい、、、円安は日本にとって

「FOMC後の今日明日(9/21,22)の日銀金融政策決定会合は、実質、正常化=実質利上げ方向に」

FOMC後の日銀の金融政策決定会合ですが、私見ですが結論を言うと、正常化、すなわち利上げの方向にかじを切るのだと思います。 既に現時点9/21(木)午前11時の段階で、十年物国債金利が0.745%に上がっています。 また、円安は昂進し、148円台に入っています。 為替については、介入をするより、日銀が実質利上げに動く方が米欧の政府関係者にとっても理解しやすい方法論であり、日銀にとっても円安、株高の状況の今こそ、正常化のチャンスで少しでもそれを既成事実として進めておきたいと

「日本株への投資トレンドはしばらく続くか?為替と株の相関に注意」/円と日経平均の連動性について

為替と株価 このところ、株価が為替への敏感度を増しているように思います。 マクロには、一昨年末当たりからその傾向が顕著に出て来ているように思いますが、ここのところの敏感さは非常に大きいような気がします。 昨年からの円安で日本の株価が、大きく過ぎる円安は別として、左右されるような感じをお持ちの方は多いのではないでしょうか? 円安と日本経済 ただ、円安はこれまで本コラムで繰り返し述べて来ていますように、日本経済にとって基本的プラス要因です。経済安全保障環境が一変した中で国内

「まだ余地を残すが、FRB利上げ打ち止めの可能性あり」/金融不安も落ち着く方向ではないか

昨日発表されたFOMCは、0.25%の利上げで予想通りでした。 この結果、あるいはFRBパウエル議長のコメントに対する見方は、ロイターの記事が比較的バランスが取れているように思いますので、引用しておきます。 何人かの国際金融スジの有識者らしき人がコメントしていますが、 「まだ余地は残すが、FRB利上げ打ち止めの可能性あり」というところでしょう。 もし利上げ停止ということになれば、金融不安も落ち着く方向なことは先日も以下申し上げた通りです。 ある程度、FRBもインフレを許

「リーマンショック並みの金融不安かもしれない、米連銀貸し出しはリーマン超え26兆円。債券含み損はすでに80兆円ということ、、、、」

今般の金融不安の実態が次々明らかに 今般の米銀破綻に続く金融不安はやhリかなり大きなものだということがわかってきたようです。 下記日経の記事では、 FRBの緊急融資枠が12日から10日たった22日で536億ドル(約7兆円)、連銀の通常貸し出しが3/8時点で45億ドル程度だったものが15日時点で1528億ドルと、既報したようにリーマンショック時を抜いたということです。 都合で2000億ドル(約26兆円)以上であるようです。 また、下記記事には、 今回のシリコンバレー銀行

「FOMC 0.25%利上げ、パウエル議長もこれしかなかったのだろう。インフレへケアしつつ金融システム安定化をした」/いずれインフレ目標2%を変えるのではないか?

FOMCの結果 本日朝、3/22FOMCの決定が報道されました。日経でもロイターでも様々な識者の意見が開陳されています。 3月の初め時点の利上げ予想は0.50%だったのですが、シリコンバレー銀行破綻に始まる金融不安が意外に大きいことが伝わり、それがそもそも利上げによる債券の下落によるものであることわかりました。 利上げ予測と結果 こうした中で、金融不安がかなり大きなものであれば、利上げも止めることになるし、小さなものであれば0.50%で利上げ継続する線も可能性として有

「米国金利ターミナルレイト5.5-5.75%の可能性にFRB関係者が言及」/物価目標3%にも言及

FRB関係者、米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁が、「連邦準備理事会(FRB)が政策金利を5.5─5.75%に引き上げる必要性について「確かに想像できる」」と述べたということです。 また、来年の今頃までに利下げしている可能性は小さいことにも言及している。 これは、最近の雇用情勢の逼迫、インフレのぶり返しを示す統計結果を踏まえて、市場関係者のみならずFRBにもタカ派勢力が勢いを得ていることのしるしかと思います。 それは、これまで本コラムで記事にしてきた通りです。 例えば以

「米財務長官イエレンも景気後退リスク減に言及 モデレイトインフレの時代」

今日2/7も利上げ、インフレのジレンマの中でも景気後退のリスク減に対する要人の発言が出た。 米財務長官イエレン、FRB議長経験者でもあるイエレンがリセッションは回避可能と言っている。 先週末に出た雇用統計がかなり高圧的で雇用者の大幅増を記録したことを捉えているものと思われるが、利上げの継続によりインフレが抑制されつつあること、これだけの利上げにもかかわらず米経済が堅調であること、米政府のインフレ抑制策に自信を持っていること、等を紺強にしているようである。 たしかに、ここま

「今日明日FOMC 0.25%は既定路線 もうそろそろ国際金融スジと歩み寄る??」

今日1/31と明日2/1は、FRBの金融政策決定会合FOMCです。 さまざまな思惑があり、 日経の記事もああ言うものありこう言うものありという状況、 かと思います。 このような状況は、年末年始とさして変わっていないと言えます。このコラムでもその状況について記事にしました。 どうも、この記事を書かせてもらったのち、状況を日々見ているとですが、この時書いたシナリオの可能性がやや高まっているのを感じています。 FRBとて民間であり、同じ民間の国際金融スジと認識のギャップを大き

「米欧金融当局と国際金融スジとの認識ギャップ縮まらず、今年の中で歩み寄るとすればこのままある程度のインフレ容認になる、日本は日銀の金融緩和姿勢で米欧と同スタンスになり米欧に遅行してインフレトレンドになるか」

ここのところの世界の金融政策に関する記事を散見しているとどうやら今年の先行きの一つの候補シナリオがあるらしいことを感じます。 もちろん、その通りになる蓋然性がどうのこうのというつもりはありません。 FRB関連では、 などに典型的に見られるように、FRB各委員は民間の国際金融スジの楽観シナリオには一定の距離を置く、タカ派主張を繰り返しています。 このことはしばらく続くと予想して間違いないと思います。インフレはやはりそれほど怖いことなのです。 しかし、ここでよく考えてみる必要

「インフレは収まらず、なお続く利上げ、仮想通貨もまだまだ破綻あり下がり続ける」

インフレはまだまだ収まりそうにない。これはやはり構造的変化の可能性が高く、これまでのデフレ基調には戻らない可能性が高い。世界の経済潮流が変わったのだと思う。 本日12/23ロイターは、労働需給のひっ迫とドル高を報じている。 インフレの根本原因は労働需給であるように思う。 米国ではコロナでレイオフされた高齢者が労働市場に戻ってこないと言われている。 これこそ、新自由主義に対する中堅層の反乱だという識者もいるほどである。その要素は十分あるように思う。 であれば、やはり基調が変

「米雇用状況に変化の兆しか、との記事だが、、、もう少し様子見が必要かもしれない」

1.米国の雇用状況に少し変化の兆しが出て来ているようだ。 下記の記事をご覧ください。 まず、10/4アメリカ労働統計局の最新の求人労働移動調査で米国の8月の求人数が1100万件と7月から110万件減少したことを挙げている。コロナパンデミック初期の収縮以来のことで企業が不景気が始まったと感じて採用を絞っていると言っている。 この数字はFRBを利上げが効いてきたと喜ばせるだろう、とも識者に語らせている。 確かにグラフ上は求人数がピークアウトして減少に転じたように見える。 2

「現今の金融情勢について」/神経質な展開が続くのでは

1.やはりジャクソンホール会議に注目  昨日8/15のこのコラムでも記したように、8/25~27のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容が注目だというお話をしました。  今朝も、その関連の興味深い記事がロイターから出てましたので紹介してコメントします。 2.利上げとともにQT(量的引き締め)に注目  この記事では、金利引き上げに関する議論ではなくて、QTつまりこれまで大量に量的緩和で吐き出してきたマネーの回収=量的引き締めについて議論を進めています。  Q