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世界情勢、歴史、政治、経済、金融

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ときどきの世界の、政治、経済、金融などの情勢についての良し無しごとを語らせていただければと思います。日本の国益を主軸に置いたエッセイになればと思っています。
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2022年12月の記事一覧

「年末に際して、来年の株式市場について」/日経の記事から概観しておきます

株式市場について改めて 為替については、前報(下記)で記したので、年末に際して、来年の株式市場について日経の記事がある程度まともだったので概観しておきます。 NY初の日経記事 NY(ニューヨーク)特急便というコラムでウォール街派遣記者のコラムと思われる記事から見てみます。 昨日12/30の記事は主に金融政策と雇用に関する観点のものです。 ・IT米新規失業保険申請件数はなお低水準であり、継続給付数は増加してきてはいる中でITや金融でレイオフが増加してきているものの、なお

「日銀の政策修正後、来年の動きについて、みずほの唐鎌氏の言はまともだと思う」

日銀の金融政策修正は市場にネガティブ 日銀の金融政策修正で、日本はもちろん米国、欧州の相場も下げ基調、為替は円高の動きが続いているように見える。 12/20の修正後、本コラムでもコメントしたような市場情勢が欧米の機関投資家がクリスマス休暇から市場に帰ってきつつある今も続いている。 来年もしばらくはこの情勢が続くものと私は思っている。 黒田さんには投機筋によって攻め込まれたところをなんとか頑張ってもらって、あの政策を維持して日本経済への好影響である、円安、株価上昇への道筋を

「米中関係を決定的に変えた米国人の著作 1)『米中もし戦わば』文藝春秋社ペーターナバロ著、2)『China2049』日経BPマイケルピルズベリー著」

今日2022年末の現在、2年前にバイデン民主党政権に政権交代しようとも一貫して変わったことがなく、今後も米国の政策として変わることの無いChinaとの新冷戦とも言える政策が、これを機に決定的に変わったとされる米国人による著作が、2015年から16年にかけてトランプ政権誕生前に出版された、 1)『米中もし戦わば』文藝春秋社ペーターナバロ著 2)『China2049』日経BPマイケルピルズベリー著 となります。 前者は、トランプ政権中枢にあって外交政策を進めた大統領補佐官のピー

『馬渕睦夫が読み解く 2023年世界の真実』(WAC社)の紹介

「馬渕睦夫が読み解く 2023年世界の真実」(WAC社)馬渕睦夫著を紹介します。 毎年の年末、その年の世界情勢、出来事を振り返って、次の年の潮流を提示する、練達の保守論壇人元ウクライナ大使である馬渕睦夫さんの著作です。 今回の著作も、2022年の世界情勢に関して、マスメディアに取り上げられない情報や10年20年レベルから世紀単位の歴史事実に裏付けられた広範な見識をベースにぶった切っています。 世の中の事象は国益視点で見なければ非常に多いのですが、常に日本の国益を主軸に置い

『老人支配国家日本の危機』(文春新書)エマニュエルトッド著/日本の出生率低減・人口減少について 及び 世界情勢について

『歴史人口学で見た日本』速水融著 日本の出生率低減・人口減少についてたびたび記してきた。日本の歴史人口学の泰斗速水融氏の著作については最近下記で紹介した。 『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』エマニュエルトッド著 もちろんそれは近年日本でも盛んに評論活動している世界的泰斗のフランス人エマニュエルトッド氏の近年の著作から導かれたものだ。 改めて彼の下記の大著については掲載させていただく。 『老人支配国家日本の危機』と『歴史人口学で見た日本』 以上を踏まえて、『老

「出生率低減と歴史人口学 『歴史人口学で見た日本』(文春新書)速水融 を読んで」

エマニュエルトッドから速水融 エマニュエル・トッドについては本コラムで度々触れてきている。大著「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」についても度々触れてきている。 上記の既報前者では、日本の出生率低減、人口減少に着いて議論した。日本が現今直面する課題として、最も大きな課題である。これについては他の記事でも記してきたが、識者やメディアで全く議論が足りていないし、日本人自身の危機意識も不足しているのが現状と言わざるを得ない。 エマニュエルトッドがたびたび日本の歴史人口学

「仮想通貨 最終章」阿鼻叫喚

もう仮想通貨について暴落を言い出した春から、7カ月以上経ちましたが、さきほど12/20の記事と言うことで下記の記事を見つけました。 名だたる、以下の仮想通貨が連日下落しているということをBloombergが報道している。 ビットコイン、イーサ、カルダノ、ソラナ、ビット・デジタル、バックト・ホールディングス、ビットファームズ、ハット8マイニング、ハイブ・ブロックチェーン・テクノロジーズ、コインベース・グローバル、ロビンフッド・マーケッツも、シルバーゲート・キャピタル、モゴ

「今日12/24の、産経、読売、日経各新聞を読んで」/マスメディアは反国民的機関である、猛省を促したい

今日12/24クリスマスイブの産経、読売、日経の各新聞を読んだが、あまりのひどさに辟易した。 なにがひどいかという点だが、どの三紙も財務省経由の財政均衡論の考え方に貫かれていることだ。 マスメディアは産経も含めて、完全に財務省の軍門に下った状態であるということだ。 いずれの三紙も、史上最高額の来年度予算案を全面に出し、国債依存の予算、財源論を振りかざした議論を主要な論点としていた。 これだから、国民が騙されてしまうのであり、これまでさんざん騙されてきたことをまたも繰り返そ

「インフレは収まらず、なお続く利上げ、仮想通貨もまだまだ破綻あり下がり続ける」

インフレはまだまだ収まりそうにない。これはやはり構造的変化の可能性が高く、これまでのデフレ基調には戻らない可能性が高い。世界の経済潮流が変わったのだと思う。 本日12/23ロイターは、労働需給のひっ迫とドル高を報じている。 インフレの根本原因は労働需給であるように思う。 米国ではコロナでレイオフされた高齢者が労働市場に戻ってこないと言われている。 これこそ、新自由主義に対する中堅層の反乱だという識者もいるほどである。その要素は十分あるように思う。 であれば、やはり基調が変

「日銀金融政策修正は、実質利上げであり、やはりネガティブ」

12/20の日銀金融政策修正は、やはり実質利上げである。それが証拠に世界各国の金利が日銀の修正に合わせたかのように上がっている。 日銀の修正が呼び水になったわけである。 これは、やはり世界がインフレを相当な手ごわいものだと認識しているということの裏返しだと思う。 私は、やはり日銀は頑張るべきだったと思う。 もちろん、その後ニュースにもなったようにイールドカーブコントロールが機能せず、ヘッジファンドに仕掛けられていたという記事も出ていた。 確かに、10年物国債の金利に関し

「黒田日銀総裁のサプライズは、逆噴射かイタチの最後っ屁か」

今日12/20の金融政策決定会合で、黒田日銀は大規模緩和を修正する方針を決めた。 長期金利の変動幅を0.25%上限を0.50%に広げるというものだ。 会見要旨を見る限り、 海外市場の動きと比べ債券市場の機能が低下しているので金融政策の市場機能を改善する、 利上げではない、 イールドカーブコントロールはやめない、 金融緩和は拡大する、 必要に応じて0.50以下で指値オペをやる、 名目金利が下がってきている状況下金融緩和効果は高まっている、 等々語っている。 識者コメントを見

「Chinaからの政治工作(OtherThanWar)にはよっぽどの注意が必要 台湾での認知戦/産経新聞3面」

工作に弱い自由と民主主義 私たちが暮らす自由と民主主義の社会空間は、専制体制からの工作活動に極めて弱いという特徴を有しています。 現在も様々な形で、特にインターネットなどの空間において、専制体制からの情報操作、工作を受けています。 私はツイッターにおいても情報発信を行っていますが、明らかに工作だなと感じることも多いです。 「ティックトック」による台湾への工作 本日12/18産経新聞3面に「中国『認知戦』台湾を侵食/人気アプリで若者を『反日米』配信」という記事が有りました

「中銀の姿勢への理解が国際金融スジに届いていない。まだ、ドルは買われ株は売られる可能性が大きい」/ヨーロッパ連銀もタカ派姿勢鮮明

一昨日12/15の本コラムに書いた記事の予想がここまで連日露わになるとは本当に思わなかった。 昨日12/16も、ヨーロッパ連銀のリガルド議長発言がタカ派色を強くしたことで欧米株価は大きく下げ、ドルは買われた。 ドイツDAXは3%を超える下落だったようだ。 ヨーロッパは金融的には米国追随性が高く、十分このような発言の予想はあっただろうと思われる。 しかし、やはり、国際金融スジの予想と連銀の捉え方になおギャップがあり、連銀の発言ごとに下げを繰り返しているように見える。 昨日のニ

「日本の人口減少、出生率低下に関して、他人事の記事が多過ぎる。識者の自覚を促したい」

今世紀に入り、日本の人口減少、出生率低下が露わになって久しい。 この事態を憂い、他人事とせず、自らの問題として考えてきたつもりだが、メディア、識者の記事を見ることも多いが、あまりにも他人事の記事が多過ぎる。 昨日も、人口減少対策総合研究所の理事長らしいが、某氏の下記の記事を読んだ。 途中で気持ち悪くなるくらい他人事だ。 もちろん、某氏のすべての著作を読んだわけではないので、予断かもしれないが、どうもこの種の記事にして、やはり日本人としての自覚が感じられないのだ。 それは