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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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#ポエニ戦争

「『ローマ人の物語』他、塩野七生著作書評リスト」

「ローマ人の物語」他について、塩野七生さんの著作をリスト化します。 ローマ人の物語 1)「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」/初めから面白い|りょうさん (note.com) 2)「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」/これはめちゃくちゃ面白い|りょうさん (note.com) 3)『ローマ人の物語Ⅲ 勝者の混迷』/帝国の盛衰の歴史、現代と変わらず|りょうさん (note.com) 4)「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル ルビコン以前」野心、虚栄心の問題|りょ

『ローマ人の物語Ⅲ 勝者の混迷』/帝国の盛衰の歴史、現代と変わらず

三次にわたるカルタゴとのポエニ戦役に完全勝利し、地中海の覇者となったローマに混迷が訪れる。 ハンニバルとの闘い、強者カルタゴとの闘いにはローマが全力を振り絞って戦い抜き、勝利したものでその後の混迷はある意味必然と言えるものがある。 日本の歴史で匹敵するものととしては、日露戦後の状況に似ていると言えるのではないか。 一方でこのローマ帝国(まだ歴史上普通には帝国となっていない)の混迷は、大英帝国、米帝国のそれを重ねて重厚に思い浮かべられるほどに類似性がある。特に米国の現代史、

「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」/これはめちゃくちゃ面白い

「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」のご紹介です。 すでに、 「ローマから日本が見える」、「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」はご紹介しました。 この「ローマ人の物語Ⅱ」は、ハンニバル戦記という副題がついているように、三次にわたるローマとカルタゴのポエニ戦争の戦記と言ってよい巻にあたります。 やはり、歴史ものは、日本で言えば戦国時代が何より面白いのと同様に、戦記物が一番面白いですね。 このポエニ戦争を描いた第2巻も、人物描写、戦闘描写とも塩野七生さんの筆が踊る