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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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#キリスト教

「『ローマ人の物語』他、塩野七生著作書評リスト」

「ローマ人の物語」他について、塩野七生さんの著作をリスト化します。 ローマ人の物語 1)「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」/初めから面白い|りょうさん (note.com) 2)「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」/これはめちゃくちゃ面白い|りょうさん (note.com) 3)『ローマ人の物語Ⅲ 勝者の混迷』/帝国の盛衰の歴史、現代と変わらず|りょうさん (note.com) 4)「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル ルビコン以前」野心、虚栄心の問題|りょ

「ローマ人の物語Ⅹ すべての道はローマに通ず」/豊富な写真がイメージを形作る珠玉の一冊

本編は、これまでローマ帝国の歴史を編年体で記述してきたⅨ巻までとことなり、ローマ人がローマ帝国(正確には帝国以前の、建国以来)の歴史をインフラ構築について、特別に視点を集約して編纂してモノです。 ローマ帝国のインフラストラクチャー 1)ハード ローマ街道と上下水道について綿密に紹介してくれています。 「すべての道はローマに通ず」という言葉と、最も端的に現わし、代表中の代表と言えるものが、ローマ街道です。 帝政以前の最初のローマ街道である「アッピア街道」は紀元前4世紀末ア

「ローマ人の物語Ⅶ 悪名高き皇帝たち」(塩野七生著、新潮社)ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ

ユリウス=クラウディウス朝 さて、「ローマ人の物語」もいよいよ帝政が始まっていくということになります。 カエサルのあとを継いだアウグストゥスによって始まったローマの帝政、その後、義子のティベリウスに継がれます。そして、その弟の孫のカリグラ、そしてカリグラの混乱を収拾するティベリウスの甥のクライディウス、そしてネロと。 ここまでの皇帝は、アウグストゥスの後を受けたその義子ティベリウスを除いて、カエサルの血を何らかの形で付いている者たちです。ティベリウスが名門貴族クライディウ