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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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2024年1月の記事一覧

「からごころー日本精神の逆説ー」長谷川三千子著(中公文庫)/深い思索が心に届いて、日本人とは、自分とは何かを静かに考えさせてくれる

「からごころー日本精神の逆説ー」いつも渾身の長谷川三千子氏三十代後半の力作群 冒頭に核心の「からごころ」から始まる真に思索を繰り返した末の日本人論。 発表から30年近くを過ぎて2014年に文庫化され、発表当時衝撃を受けた若き小川榮太郎が解説でこの論説の核心を鮮やかに解きほぐしてくれている。 全ては、小川榮太郎が言い尽くしていて、ここになにも書くことはないとも思わせられるが、、、、 日本人が思うとは、考えるとは、を自分の心に寄り添って思索するのに、必須のアイテムであろうかと

「ギリシャ人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊」塩野七生著(新潮社)/ギリシャはペルシャ戦争後、民主政のアテネによる大興隆、覇権拡張でピークを向かえるが、アテネは衆愚政治によりすべてを失う、、、、

個々の力を集団として機能させることでペルシャ戦争を勝ち抜いたが、、、 ギリシャ文明がオリエント文明(ペルシャ)を打ち負かしたことで、のちのローマ、ヨーロッパの文明の興隆に繋がったところがあります。 ギリシャ文明のその特徴は、個々の力ですが、その個を集団として機能させペルシャを打ち負かしたところにこそ、その真骨頂が現れています。 それは、アテネにおいて、最もよくあらわれ、政治体制として民主政が個々の力による軍事、経済的興隆と不可分になっているのですが、栄華は長く続かなかった

「『私にはムリ!』と思い込んでいる人のための不動産投資の基本」(台場史貞著、秀和システム刊) /不動産投資を具体的に検討着手しました

不動産投資に関する思い直し 以前に、本コラムの記事で不動産投資は諦めたと言いました。 会社の先輩や後輩に不動産投資をしている人たちがいて、今後の人生、永ければ30年余を考えて、不動産投資に関する勉強を始めて、実際に不動産業者主催のセミナーを受けてみてそう思ったのですが、 具体的な物件がまずありきで、その物件が買い替え物件としても結構魅力的だったのでいろいろ考えを巡らすうちにやはり真剣に考えるべきだと思い直しました。 それで、くだんのセミナー受講して個別相談した人に、というこ