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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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2023年11月の記事一覧

「ローマ人の物語ⅩⅤ ローマ世界の終焉」/帝国の、ローマ文明の終焉、哀しいかな。活力が失われローマ人の気概が雲散霧消し、ローマ人がいなくなった、、、、

読むのがつらくなる「ローマ人の物語」最終15巻 本巻15巻では、ローマがローマでなくなり、痕跡さえも破壊され消失していく過程が描かれています。 そして読んでいて、つらくなるのがこの「ローマ人の物語」最終15巻です。 あの輝かしいスキピオ、カエサル、アウグストゥスのローマはもう痕跡さえも無くなっていく、そんなローマに何の意味があるのでしょう? そんな塩野七生さんの叫びが聞こえてきそうな15巻です。 人間を知るためには誕生から死までの事績を丁寧に追うことだとの信念で『ローマ』

「新刊『ロシア破れたりー日本を呪縛する「坂の上の雲」という過ち』鈴木壮一著毎日ワンズ」/司馬遼太郎史観に騙されないで

新刊『ロシア破れたりー日本を呪縛する「坂の上の雲」という過ち』鈴木壮一著毎日ワンズ、令和五年九月二十三日第一版 鈴木壮一さんが再度、というより再再度、日露戦争に関する「坂の上の雲」の過ちを正すべく、新刊を刊行しました。 鈴木壮一さんの著作については、再三本コラムで取り上げさせていただいています。特にこの日露戦争のいわゆる司馬遼太郎史観の誤りを正したということについては近年の傑作だと私は思っています。 ですのでたびたび引用させていただき、私自身も「坂の上の雲」の司馬遼太郎史

「日本に必要な活力の再生」/新保祐司氏は、”私と公”を取り上げ、”公”に生存の意味を感じ発する本当の喜びに基づいた活力こそが今日本に必要だと・・・・少し哲学的ですが、、、

「『昭和と明治』祝日によって喚起される国民の記憶」昭和の日をお祝いする集い実行委員会編 私の手元に、本日11/3を「明治の日」にという意味で、昭和の日をお祝いする集い実行委員会から送付されてきた、「『昭和と明治』祝日によって喚起される国民の記憶」という小冊子があります。 新保祐司氏 新保祐司氏については、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、産経新聞正論欄執筆メンバーで歴史や宗教に造詣の深い文芸評論家です。 本コラムでも、本年のお正月に、元旦に新保氏執筆の産経新聞「正

「『ローマ人の物語』他、塩野七生著作書評リスト」

「ローマ人の物語」他について、塩野七生さんの著作をリスト化します。 ローマ人の物語 1)「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」/初めから面白い|りょうさん (note.com) 2)「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」/これはめちゃくちゃ面白い|りょうさん (note.com) 3)『ローマ人の物語Ⅲ 勝者の混迷』/帝国の盛衰の歴史、現代と変わらず|りょうさん (note.com) 4)「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル ルビコン以前」野心、虚栄心の問題|りょ