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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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2023年8月の記事一覧

「ローマ人の物語Ⅺ 終わりの始まり」/アントニヌス・ピウスからマルクス・アウレリウスとその息子コモドゥス、そして内乱の時代とセプティミウス・セヴェルス

衰亡の始まり 塩野七生さんも記していますが、このあたりの時代から有名な、あのギボンの「ローマ帝国衰亡史」の時代に入ります。 私自身、高校のとき世界史を学び、理学部に進学しましたが共通テストでは世界史を選択し、古代史は特によく勉強したつもりではありました。そして大学生のとき、大部のギボンの「ローマ帝国衰亡史」の1巻だけ読んで挫けましたが、衰亡が始まるというその雰囲気は充分に感じ取ることができました。 いよいよその衰亡の始まる時代です。 アントニヌス・ピウスから衰亡が始まって