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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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2023年1月の記事一覧

「開高健の名著 『風に訊け』」懐かしい青春の書、40年前の週プレの連載だけど一向に古びていない、この感性の人間が還暦になっても歳とっていないように思える

小説家(兼釣り師)開高健 懐かしい、開高健の名著をご紹介したいと思います。 小生、ご存じの通り還暦を一年超えた老生ですが、40年ほど前の昭和50年代から六十年代(1980年代)に青春の日々を過ごしましたが、当時週刊プレイボーイに人生相談のコラムを連載していたのが、小説家(兼釣り師?)の開高健でした。 自分を叱咤激励した人生指南書 毎週欠かさずこのコラムを目的に、時に大学生協で立ち読み、時に購買していました。 自分自身の、近代の門出に立ち、 一つは、専攻した化学をどうもの

『基礎から学ぶ統計学』(羊土社)中原治/高校数学レベルで100%わかる、絶好のリスキリング向け、北大超人気講義の統計基礎自習者向け入門書

今年に入って、材料技術の開発製造関係の仕事をしている関係で統計を学び直す必要が生じて、本を探して見つけたものです。 先週、会社で自己啓発の中で三日ほど集中してこの本を勉強して非常に有益でした。 統計の基礎を学び直す、企業人のリスキリングに絶好 著者は、北大農学部の統計基礎の講義を受け持つ先生で長年、統計を利用する初学者向けの講義を受け持ってきて、学生になんとか統計の基礎を理解させようと苦労に苦労を重ねて、その真髄をこの本にまとめてくれています。 学生の質問を丁寧に分析し

「司馬遼太郎について」/青春の頃大変お世話になり大好きな国民作家です。若い方々にこのやたらに面白い作家の作品を手に取ることを強くお勧めします。

司馬遼太郎生誕100年 昨日元旦の産経新聞新春別冊第三部に、司馬遼太郎生誕100年対談が掲載されています。 大正12(1923)年生まれの司馬遼太郎の生誕100年を記念して、作家のお二人、玉岡かおるさん、門井慶喜さんによる対談です。 二人が選んだ司馬作品 玉岡さん 1.播磨灘物語 2.項羽と劉邦 3.菜の花の沖 4.夏草の賦 5.竜馬がゆく 門井さん 1.風塵抄 2.国盗り物語 3.ロシアについて 4.日本人と日本文化 5.司馬遼太郎からの手紙 私が付けるとすると、順

「日本人にとっての、文明論基盤として必須の書物」中西輝政氏の四著作のご紹介

年初にあたり、広範な視点でスタートしたいと思います。 世界で起きること、政治経済的出来事というものは、それそのものを皮相的に捉えるだけでは何もわかりません。ウクライナのことなどもTVなどのマスメディアの皮相的な報道だけでは何もわからないことと同じです。 そういう意味で歴史的、文明論的な基盤を腹に落としておくことが極めて重要になります。 アングロサクソンはそのあたりの知恵が優れているために五世紀以上に及ぶ覇権を取ってきたと言われています。 日本人の文明論 日本人はそういう