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人文、歴史系

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人文系の記事を収録します。政治、金融、経済関係以外の文学、歴史、人間に関する記事と思ってください。政治、金融、国際政治及びそれに関わる社会事象は「世界情勢、歴史、政治、経済、金融… もっと読む
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#塩野七生

「日露戦争旅順攻防戦及び奉天会戦について」/俯瞰及び目次

「日露戦争旅順攻防戦/司馬遼太郎史観に騙されないで」及び「日露戦争奉天会戦/司馬遼太郎史観に騙されないで その1から5」に関する、俯瞰及び目次を、読者の皆さんの便宜のためここに作成します。 1.日露戦争旅順攻防戦/司馬遼太郎史観に騙されないで 2.日露戦争奉天会戦/司馬遼太郎史観に騙されないで 1)その1 2)その2 3)その3 4)その4 5)その5 今後ともご愛読賜りますようお願い申し上げます。 2.その他

「ローマ人の物語Ⅷ 危機と克服」(塩野七生著、新潮社)/ユリウス・クラウディウス朝の後の混乱とその収拾 ヴェスパシアヌスから賢帝の時代へ

ユリウス・クラウディウス朝から脱皮とともに訪れた危機 帝政を実質導入したカエサル、それを見事に受け継ぎ帝政によるパックスロマーナを実現したアウグストウス、その義子のティベリウス、さらにカエサル、アウグストウスの血をひく者たちによる帝政の継続、、、、その末代のネロによる混乱、そのあとに訪れた更なる混乱から危機が迫る、第八巻はこんな状況から始まります。 状況の見えていない短期三代の皇帝 ガルバ、オトー、ヴィテリウスと短期三代の皇帝は、ローマ帝国のおかれた状況、皇帝の求められ

「ローマ人の物語Ⅴ、Ⅵ、Ⅶの補足」/王朝系図と年表がついて理解促進、便利です。

「ローマ人の物語Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ」の補足です。 この「ローマ人の物語Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ」では、 Ⅴ巻には、 紀元前100年のカエサル誕生から暗殺(紀元前44年)、オクタビアヌス権力掌握(紀元前30年)までの、ローマ、地中海世界及びその他の世界の出来事年表が巻末についています。 Ⅵ巻には、 カエサル暗殺(紀元前44年)からオクタビアヌス権力掌握(紀元前30年)、オクタビアヌス改めアウグストウスの死(紀元14年)までのローマ地中海世界及びその他の世界の出来事年表が巻末についています。 さらに

「ローマ人の物語Ⅵ パックスロマーナ」(塩野七生著)オクタビアヌス⇒アウグストウス/カエサルほどでないにせよ、天才オクタビアヌスの物語は秀逸、世界史のハイライト

カエサル暗殺後はその後継者オクタビアヌスが権力を掌握していきます。 そしてカエサルの描いたローマの帝国化を時間を掛けて成し遂げます。 塩野七生さんは、 「ローマ人の物語Ⅴ」のカエサル暗殺後の部分からオクタビアヌスを書いていき、反カエサル派の掃蕩、アントニウス討滅までを「ローマ人の物語Ⅴ」で描きますが、ここまではローマ内部の権力闘争に勝ち抜くオクタビアヌスと言うことになります。 「ローマ人の物語Ⅵ」では、オクタビアヌス改めアウグストウスがローマによる地中海世界の平和、いわゆる

「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル ルビコン以前」/晩成カエサルの統帥と政治(塩野七生の恋)

『ローマ人の物語』も第4巻の「ユリウス・カエサル ルビコン以前」をもって真っただ中の佳境に入ってくる感じになります。 いよいよ英雄ユリウス・カエサルの登場です。 カエサルについては、塩野七生さんはこの第4巻「ルビコン以前」と第5巻「ルビコン以後」の二巻を費やして、詳細に物語を展開しています。 第4巻は、カエサルの幼少期から少年期、青年期を過ぎ、壮年期の40歳にして起つまでと、起った後ガリア全域を完全にローマ支配下に置くまでを描いています。 幼少期、少年期そして青年期

「ローマから日本が見える」塩野七生著、集英社文庫/いまや”日本”でなく”世界が見える”

塩野七生さんの「ローマ人の物語」は読んでみたいと思ってきたけれど、何分大作なので、一度読みかけたら読み切らないことには、という気がしてこの年まで読まずにいる。 この間、そういう意味で手軽な塩野本を見つけたので読んでみたが、面白かった。 それが上記の「ローマから日本が見える」という、もともとは平成17(2005)年に刊行した著作だった。 今読んでみると、内容的に、特に”日本が見える”という部分はほとんど無く、平成17年当時世界の中で一人負け状態だった日本のことを念頭に読む人