#塩野七生
「ローマ人の物語Ⅷ 危機と克服」(塩野七生著、新潮社)/ユリウス・クラウディウス朝の後の混乱とその収拾 ヴェスパシアヌスから賢帝の時代へ
ユリウス・クラウディウス朝から脱皮とともに訪れた危機 帝政を実質導入したカエサル、それを見事に受け継ぎ帝政によるパックスロマーナを実現したアウグストウス、その義子のティベリウス、さらにカエサル、アウグストウスの血をひく者たちによる帝政の継続、、、、その末代のネロによる混乱、そのあとに訪れた更なる混乱から危機が迫る、第八巻はこんな状況から始まります。 状況の見えていない短期三代の皇帝 ガルバ、オトー、ヴィテリウスと短期三代の皇帝は、ローマ帝国のおかれた状況、皇帝の求められ
「ローマ人の物語Ⅵ パックスロマーナ」(塩野七生著)オクタビアヌス⇒アウグストウス/カエサルほどでないにせよ、天才オクタビアヌスの物語は秀逸、世界史のハイライト
カエサル暗殺後はその後継者オクタビアヌスが権力を掌握していきます。 そしてカエサルの描いたローマの帝国化を時間を掛けて成し遂げます。 塩野七生さんは、 「ローマ人の物語Ⅴ」のカエサル暗殺後の部分からオクタビアヌスを書いていき、反カエサル派の掃蕩、アントニウス討滅までを「ローマ人の物語Ⅴ」で描きますが、ここまではローマ内部の権力闘争に勝ち抜くオクタビアヌスと言うことになります。 「ローマ人の物語Ⅵ」では、オクタビアヌス改めアウグストウスがローマによる地中海世界の平和、いわゆる