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便潜血が陽性と言われたら・・・③

実際の大腸カメラの流れを説明。

1. 前日~当日の検査まで

大腸カメラにて大腸をくまなく観察するには、便が残っていない状態にする必要がある。そのため、前日の夕食は素うどんなどが望ましい。病院によっては、消化の良い食事が出るところもある。いずれにしても、食物繊維の強い食事を避け、夜9時以降は絶食とする。水分摂取は可能であり、夜には処方された下剤を内服する。

翌朝から、いよいよ下剤を飲み始める。この下剤が第一の難関。理由は量が多いことだ。1~2Lを数回分けて飲んでいく。飲み方は看護師さんに指示されるはずなので、集合時間に遅れないよう病院へ行くことが大事。

下剤で腸が綺麗になり、看護師さんからOKが出たら、いよいよ検査開始である。

2. 検査中

検査の順番が来たら、検査用のベッドに横たわり、体の左を下にした横向きの体勢で検査開始となる。検査医が直腸診と呼ばれる肛門の診察をした後、カメラが挿入される。肛門から入ったカメラは、まず大腸の一番奥、盲腸を目指す。途中でポリープ等があっても処置は行わず、カメラを抜いてくる時に切除等が行うことになる。

検査中、痛みがあるかどうかについては、個人差が大きい。全く痛くない人もいれば、痛みが強く出てしまう人もいる。痛みは、お腹の手術歴がある人、便秘がちの人に出やすい。またカメラが肛門から盲腸に着くまでの時間は、早ければ5分以内、かかる人は30分以上かかることもある。時間がかかりやすいのは、、便秘がちで腸が長かったり、肥満でお腹にスペースがたくさんあったりするような、腸が伸びやすい人に多く。

痛みが出ないようにするのは中々難しいが、お腹の力を抜くことに集中するのが良い。お腹に力が入り、腸が締まってしまうとカメラを押して入れざるを得ないため、腸が伸ばされて痛みが出やすい。

盲腸に到達したら、小腸の一部(回腸末端)を観察し、カメラを抜きながら大腸を観察してくる。ポリープが見つかった場合の対応は病院によって違う。その場で切除する病院もあれば、日を改めて再検査・入院で切除する病院もある(その場で切除する病院でもポリープが大きければ、当日検査後に入院となるところもある)。大きな病院であれば、検査を行う件数が多いため、処置する日を別に設けることが多い印象である。どちらの方が自分に合っているかは人それぞれであり、検査を受けようと思っている病院がどちらになるのかは事前に確認しておいた方がよい。

3. 検査終了後、結果説明

ポリープを切除せず、観察のみで終わった場合には帰宅可能である。夕から食事を摂ることもできる。ポリープを取った場合、サイズが小さければ夕食をとっても問題ないが、大きい場合には夕飯をやめた方がいいこともあり、病院からの指示に従う。

取ったポリープは、顕微鏡で見て悪性所見(癌など)がないかの検査に回すことになる。結果が出るまでに1~2週間程度かかるため、再診日が設定されることが多い。再診で悪性所見がなければ終了、悪性であればその進行度によって今後の対応が変わる。CT検査などが追加されることもある。

ポリープがなかった人は、検診での便潜血検査を続けることを勧める。ポリープが良性であった場合、追加の処置は不要だが、可能であれば1年後を目安に大腸カメラ再検査が望ましい。


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