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大腸ポリープは全て切除した方が良いのか?

大腸にポリープがあると言われると、良性であっても気になってしまうもの。ポリープの種類と取ったほうがよいものについて解説。ポリープは見つかったものすべてを取ったほうが良いか、と言われるとそうではない。
切除することの合併症として、出血や穿孔(穴があくこと)があり、腸に穴が空いてしまうと、最悪手術が必要になることもある。取る必要のないポリープを取ることで、受ける必要のなかった手術まで受けることになるのは、体への負担が大きすぎる。したがって、取ったほうが良いものを選んで切除する。

ポリープとは

「ポリープ」というのは正確には病名ではなく『皮膚・粘膜などの面から突出し、茎をもつ卵球状の腫瘤(広辞苑第6版より)』の総称です。大腸に見られるポリープには、①炎症性ポリープ、②過形成性ポリープ、③腺腫、④癌、の4つが大半であり、頻度としては過形成性ポリープと腺腫が多く見られる。

1. 炎症性ポリープ

腸に持続する炎症を起こす病気(潰瘍性大腸炎、クローン病等)で見られるポリープで、切除の必要はない。

2. 過形成性ポリープ


良性のポリープ。直腸・S状結腸に発生した、5mm以下の小さいものは経過観察となることが多い。癌化しないと考えられていたが、近年悪性化する報告もあり、サイズの大きいものや形のいびつなのものは切除対象となる。

3. 腺腫


6mm以上のものは切除が推奨される。ただし、5mm以下でも経過観察が必要であり、増大傾向にある、もしくは形が不自然であるなどが見られれば切除が望ましい。

4. 癌


早期であれば内視鏡による切除の対象となる。大きさや深さによって、切除の方法が異なる。ごく浅い癌の場合、見つかった時に切除する病院が多い。やや進行していそうなもの、サイズが大きいものは内視鏡による手術となるため、日を改め入院等の準備を整えて切除が行われる。

より深くまで広がっているものは、内視鏡では取り切れない、もしくは再発するリスクが高いため、内視鏡での治療対象とはならない。広がりにより、手術や化学療法(抗がん剤治療)等が行われる。

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