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カノン

クリアリングピアノセッションをやっております
ピアニスト+ケアマネージャーのレムリアンHitomiです。

80代女性。
以前、何が原因かわかりませんが
食事ができなくなって胃ろうを造設された方です。

施設に来るときは
また食事ができるようになっていて
胃ろうを使わずに
普通にご飯を食べていました。

でも、あることがキッカケで
また食事ができなくなったのです。

繊細な方で、
何かショックだったのか
貝のように口を閉ざすようになりました。

食べない。話さない。

そのころは、
その方の好きな美空ひばりの
”川の流れのように”を流すと
涙を流していました。

一緒に口ずさんでいるように
見える日もありました。

その後、
少しずつ顔つきが険しくなり
ブツブツと怒りを言葉にする様になりました。

そして最近は
『あっちいけ!おまえも泥棒か!』など
大きな声で毎日怒るようになったのです。

こうなると、
何の音楽を流しても
怒りの言葉でかき消されます。

童謡、唱歌、演歌、民謡など
どれも聞いていただけません。

歌詞のないものにしようと、
昨日はパッヘルベルのカノンを流しました。

一瞬、怒りの声が静かになりました・・
けれども次の瞬間はまた同じ。

今日も同じカノンを流してみました。
昨日よりも
少しだけ沈黙が長くなったように感じました・・・

でも次の瞬間は同じ。

こんな方には
もう音楽は必要ないのでしょうか?

こんな場合
音楽は何の役にも立たないのでしょうか?

何か良い案や経験をお持ちの方、
ぜひ教えていただけると嬉しいです!


”カノン”
ヨハン・パッヘルベル 
1680年頃に作曲
『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調』の第一曲目

クリアリングピアノセッションのご案内https://note.com/super_borage489/n/n665138408b54


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