徒然物語83 バランス

人気ゲームの3作目がついに発売された。

往年の名作を連想させる横スクロールアクション。
世界征服を企む大王を、ただの村人が倒しに向かう。
実は村人は勇者の末裔で…という、よくあるストーリーが展開される。
操作性はシンプルで、小学生から大人まで幅広い世代に親しまれている。

1作目で使用できたキャラクターは2人。
主人公の村人もとい勇者と、相棒の魔法使い。

勇者は攻撃力の高い剣と高いジャンプ力を兼ね備えた近接タイプ。
魔法使いは炎魔法を駆使し、遠距離攻撃が可能。
しかし、ジャンプ力が低く防御力も劣っている。

私たちはこの2キャラを選択して、各ステージを攻略していくのだ。

このゲームの醍醐味は何といってもキャラの使い分けだ。
同じステージでもどちらを選ぶかで、攻略方法がガラリと変わる。
練りこまれたステージ構成が、多くのファンを獲得する要因となった。


2作目で“兵法家”が追加された。
ナギナタやクナイといった多様な武器を扱う。
リーチの長いナギナタで、剣では届かない敵にも攻撃できた。
しかし、クナイは魔法に比べれば攻撃力が劣るし、肝心のナギナタはモーションが遅い。
ジャンプ力も低く、他の2人と比べて器用貧乏感は否めなかった。

けれども、ステージギミックが強化されたため、この3人の個性を活かしながら攻略に励むことができた。

この時点で、少しネタ切れに苦しんでいる感はあった。

そんな中、3作目でとうとう“ヤツ”が加わったのだ。そう、“軍曹”だ。

軍曹はジャンプ力、防御力ともに勇者より優れている。
だがそれ以上に攻撃方法がヤバかった。
近接攻撃はナイフで、リーチは短く攻撃力は低い。
問題は遠距離攻撃だ。なんと“バズーカ”で戦うのだ。
弾数無限。攻撃力は魔法より高く、大抵のザコ敵は一撃で倒せる。
おまけに追尾機能があり、放てば自動で敵に向かっていく。

軍曹の登場で他の3人は下位互換となり、誰にも使われなくなってしまった。
こんなキャラが隠し要素でも何でもない。

はっきり言ってゲームバランスが崩壊している。

さんざん叩かれたうえ、販売本数も激減してしまい、所謂“クソゲー”のレッテルを張られてしまった。

う~ん。

2作目まではめちゃくちゃ面白かったのに…

このゲームもそろそろネタ切れかな?

人気ゲームの続編って難しいよなあ…


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