徒然物語116 ある会社員の自供より

くっくっく…

おれが真犯人だと、ようやく気付いたようだな。

誉めてやろう。

なぜ、おれだとわかった?

…なんて、お前さんには愚問だったな。

すべてお見通しって面してやがる。

そうさ。

おれがやったのさ。

参加もしないのに、上司のパワハラでコンペの幹事なんてやらされたのが運の尽きさ。

ゴルフ場とのやり取りに始まって、

フラッグの作成。

急な欠席の補充対応。

組み合わせの変更。

ありとあらゆる雑務をこなしたさ!

…なのに、あの上司ときたら。

帰り際にフラッグを渡したら、

「俺に持ってけってことか?」

なんて、偉そうにほざきやがった。

当たり前だろ!

お前以外に誰がいるってんだ!?

この部署で行くのはお前だけなんだ!!


…最悪の気分だったぜ。

なにか、ぎゃふんと言わせられないか…

なんて、天気予報を見ていたら、どうやら週末は雨予報だ。

…こいつはいい。

だが、警報級の土砂降りはマズい。

なにせ、ゴルフ場がクローズになっちまうからだ。

そうなると、早朝に中止の連絡を全員に入れないといけない。

行きもしない、このおれがだぜ?

そいつはご免被るぜ。

だから、おれはこう願ったのさ!

『ゴルフ場がクローズにならない程度の雨がしとしと降り続いて全員ズブ濡れになりますように』ってな!


…さあ、洗いざらい吐いたんだ。

もういいだろ。

どこへだって連れていくがいいさ…

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