徒然物語49　操り人形じゃない

なぜだ！？なぜ動かん？
 
お前は我が理念を形にした、完全ロボットのはずなのにっ！
 
こいつは巨大な体躯から、いかにもパワー重視と思われがちだが、それは素人の発想。
 
大出力のエンジンと、各所に組み込まれたブースターで、高機動を実現。
 
操縦者の意思を的確に反映させるスピードタイプなのだ！
 
それゆえ、兵装はいたってシンプル！
 
大型ライフルとサーベルのみ。
 
こいつの機動力と私の操縦能力が合わされば、これだけで十分。
 
どんな敵でも一瞬で葬り去ってみせる！
 
…だというのに。
 
今、動かねば、全てが水の泡！
 
たかが、機械に感情があるとでもいうのか！？
 
敵は全て根絶やしにするという、我が思想に恐れをなしたのか！？
 
ゆえに、お前は私の破滅を望んでいるのか？
 
…あるいは、私が今まで葬ってきた敵共が、亡霊となってお前の動きを封じているとでもいうのかっ！
 
機械ごときが、つけあがりおって。
 
我が理念に共感するならば、もう一度応えてみよ！
 
さあ動け！動くのだぁー！！
 
 
店員さん「すみません、お客様のロボ、もう撃墜されてますよね？このロボットシミュレーターゲーム、一回500円です。リトライされないようでしたら、次の方お待ちですので、代わっていただけますか？」
 
私「あ、そうですか。す、すみません。」