『ロキ』
・『ロキ』を観た。
これまでのルールからはみ出した場所にいきなり連れてこられて、大きな陰謀に巻き込まれる。十分に説明されないまま、現状を打破するには自分の力が必要だと告げられる。伝説シリーズの1巻と同じ面白さだ。エヴァンゲリオンとも同じ。この形式の物語が一番面白く感じる。
これまでよりレイヤーが上の世界であることを説明するために、インフィニティストーンが一般職員のデスクにたくさん入っている様子が描かれるけれど、つい先日エンドゲームを観たばかりなので、そんなことするなよとルッソ兄弟に怒った。
情報が明かされるにつれ、敵や味方が入れ替わっていくのがおもしろい。敵を追加するのではなくて、登場した人物の中で敵や味方を入れ替える。ゴールデンカムイもこうだった。人物が多面的に描かれるので、キャラクターに愛着が湧き、物語が面白くならざるを得ない。「孤独が嫌だ」というロキの弱さとも合致している。
ロキの孤独と言えば、ラストシーンが印象的だ。作中を通して孤独が嫌だと言い続け行動で示してきたロキが、時間の果てで孤独に座っている。世界を守ることに決めたのだ。自分を犠牲にして。裏切りの神は、最後に自分の願いも裏切って、世界を救った。この物語はロキというキャラクターに正面から向き合っている。
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