見出し画像

【落語】6.11日本橋つかさの会#126

   今月も月例・日本橋つかさの会、ご来場ありがとうございます。たしかに、あたらしい日常がはじまりつつあるという、街の雰囲気を感じながら、蒲田から東京駅、八重洲地下街を抜けて、日本橋薮伊豆総本店へ。

一、田端のおかみさんのこと

   前日、五代目桂三木助より、田端のおかみさんの逝去が公表されましたので、おかみさんのはなしをつらつら、と。田端のおかみさんは三代目桂三木助夫人で、わたしの最初の師匠であった四代目や茂子姉さんの母親、五代目当代の祖母にあたります。そんなおかみさんとの思い出を30分ばかし。なので、前半は一席のみ。

一、星野屋

   三代目師匠とおかみさんのはなしから、『星野屋』へ。トリ席は『庖丁』ということで、きょうは男と女〜騙し騙されです。この噺の入り口が、特に好き。いつも言うことですが、こういった、短編時代小説のような噺が好き。

一、庖丁

   126回目にして初出しの噺です。ひさびさの再演。プログラムにも書きましたが、初演は10年以上前になる、鈴本演芸場での『囀の会』でした。
   噺のなかで、小唄『八重一重』を歌うのですが、この歌も人形町の小唄のお師匠さんに、随分前に稽古をつけていただきました。噺の稽古はもとより、ひさしぶりに『八重一重』の稽古もしました。噺をさらうより、はるかに時間がかかりました。こんな文句です。

八重一重 山も朧に薄化粧
娘盛りはよい桜花
嵐に散らで主さんに
逢うてなまなか後悔やむ
恥ずかしいではないかいな

   この二席、どちらもやはりサゲが効いてます。
   とてもスマートなんですよね。『星野屋』は短編小説と言いましたが、こちらは短編映画のようで。

   さて、次回は7月16日土曜日。
   噺は『お初徳兵衛』です。夏の恋模様…とでも申しましょうか。前回は一昨年の口演でしたが、そこで、自分なりの人物設定とそれに合った台詞ができましたので、そこをふくらませたいな、と、今回も出しました。ご期待ください。

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。